PwCらが高級品のブロックチェーントレーサビリティプラットフォーム「Vargo(ヴァルゴ)」を発表

PwCらが高級品のブロックチェーントレーサビリティプラットフォーム「Vargo(ヴァルゴ)」を発表

監査法人PwC、RFIDソリューションプロバイダーTemera(テメラ)、ブロックチェーン企業のLuxochain(ラクソチェーン)、イタリアのITサービス企業Var Group(ヴァーグループ)がブロックチェーンとIoTを活用した高級品のトレーサビリティプラットフォーム「Vargo(ヴァルゴ)」を開発したことを発表した。

ヴァルゴはメーカーがRFID、NFC、ブロックチェーン認証を使用して、製品ロットの自己認証を行うことを可能にさせる。さらにブランドは既存のERPシステムとVirgo(ヴァルゴ)を統合することが可能になるとのこと。

一方、消費者はヴァルゴのモバイルアプリケーションを使用して、製品の原産地、使用されている原材料、エシカルな商品提供の持続可能性、環境や社会への影響など製品の詳細を確認することができる。

そしてヴァルゴではイーサリアムのトークン規格「ERC721」を使用していて、ブロックチェーンもパーミッションドとパーミッションレスの2つのソリューションを企業が選べる設計となっている。

LuxochainのCEO Baldi Davide(バルディ・ダヴィド)氏は「Virgo(ヴァルゴ)の目標は、ブランドのレピュテーションを保護することです。そのために各製品ごとにデジタル認証と所有権の証明書を作成し、バリューチェーンに関連する新たな分析と洞察を提供しブランドとエンドユーザー間のロイヤリティとリワードのプロセスを改善することです」とコメントしている。

Temera CEOのD’Onofrio Arcangelo(ドノフリオ・アルカンジェロ )氏は「現在の認証システムは複雑で高価です。一方、消費者などからサプライチェーンの透明性に対するニーズがますます高まっていたので、現在のサプライヤーの監視システムは不十分な状況であったと言えました」とコメントしている。

編集部のコメント

Vargo(ヴァルゴ)のインフラとなるLuxochainが提供するブロックチェーンの機能について補足をします。Luxochainが提供するブロックチェーンには大きく分けて3つの特徴があります。

1.メーカーがブロックチェーン上に保存された高級品のデジタルパスポートを作成することを可能にすること。
2.プラットフォーム上のデジタルウォレットにより、高級品の所有者は所有権証明書をブロックチェーン上で安全に保管することができること。
3.デジタルパスポートとデジタルウォレットによって高級品がセカンダリーマーケットで転売される場合に有効であること。

なお3に関して補足をすると、高級品の所有権証明書の引き継ぎがスムーズにできるようになり、さらに購入者は商品の真偽を確認することもできるとのことです。

またサプライチェーンの可視性や透明性の重要性に関して、4月6日にWorld Economic Forum(世界経済フォーラム)がレポートを発表しました。あたらしい経済編集部はサプライチェーンの可視性や透明性が上がることによって、消費者の真偽判断に役立つだけでなく、サプライチェーンが機能不全に陥った時に代替サプライヤーを提供できるという考えも非常に重要であると考えています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:antoniokhr,liuzishan)

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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