OKXとConsensysが提携、MetaMaskに高性能DEX APIとMEV保護を統合

MetaMaskユーザーが100ミリ秒未満で取引可能に

グローバルに展開する海外暗号資産(仮想通貨)取引所OKXと、web3ウォレットのメタマスク(MetaMask)を提供する米コンセンシス(Consensys)が、戦略的パートナーシップを締結したと6月19日に発表した。その一環としてOKXの高性能DEX(分散型取引所)APIが、メタマスクと統合された。

このDEX APIは、複数のブロックチェーンにわたるDEXを統合する取引インフラストラクチャとのこと。メタマスクユーザーは同インフラストラクチャを通じて、新たな流動性ソースとしてOKXのDEXアグリゲーターにアクセス可能になるという。OKXのアグリゲーターは500以上のDEXに接続しているため、これをメタマスクユーザーが利用することで業界最速クラスの100ミリ秒未満での取引が可能になるとのこと。

この主な利点として、統合された流動性に基づく競争力のある価格設定やスリッページの抑制、取引コストの削減が挙げられている。なおスリッページとは、注文時の価格と実際に約定した価格との間に生じる差のことを指す。

さらに開発者向けに提供されているOKXのDEX APIは、99.9%の可用性と堅牢なセキュリティを備えているとのこと。特徴はSDKやAPI、ウィジェットといった柔軟な統合手段を通じて、さまざまなプラットフォーム上で高度な取引機能を迅速に実装できる点だという。

またOKXのセルフカストディ型ウォレットであるOKXウォレット(OKX Wallet)には、コンセンシスのMEV(最大抽出可能価値)保護ソリューション「サーボ(SERVO)」が統合されたとのこと。なおOKXウォレットは、「サーボ」を導入した初の主要な外部パートナーとなっている。

MEVとは、ブロックチェーンにおいてマイナーやバリデーターがブロックを生成する際に、トランザクションの挿入、除外、並び替えなどを行うことで、通常のブロック報酬やガス代とは別に得られる追加の利益を指す。MEVにはさまざまな形態があり、高速な清算のようにユーザーにとって有益なものもあれば、サンドイッチ取引のようにユーザーに不利益をもたらすものも存在する。

また両社は今後、レイヤー2ブロックチェーン「リネア(Linea)」のエコシステムに関しても協業を進めていく方針だという。なお「リネア」は、コンセンシスが、暗号技術を利用した証明技術「ゼロ知識証明」(zero-knowledge proof:zkp)を用いて開発したイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション。2023年8月にメインネットローンチした。

なお今回の発表は、OKXとコンセンシスによる戦略的パートナーシップの第1段階に位置づけられている。今後両社は、数カ月以内に複数の製品領域において追加の協業を計画しているとのことだ。

ちなみにスイ(Sui)ブロックチェーン上のDEXモメンタム(Momentum)が、OKXウォレットと提携したと6月19日に発表している。

この提携により、OKXウォレットが提供する学習型報酬プラットフォーム「クリプトぺディア(Cryptopedia)」上でモメンタムが取り上げられるという。「クリプトぺディア」ではモメンタムが提供するリキッドステーキングトークン「xSUI」や、OKXの独自資産「xBTC」などを対象とした、総額100万ドル(約1.4億円)超の学習型報酬キャンペーンが展開される予定とのこと。

なおモメンタムは今年3月のベータ版ローンチ以降、10週間でTVL(総預かり資産)約9,500万ドル(約140億円)、スワップ取引量40億ドル(約5,917億円)超を記録したとのことだ。

参考:OKX
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
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