XRPL上でドバイの不動産トークン化プラットフォーム導入
ドバイ土地局(DLD)が、中東・北アフリカ(MENA)地域初の不動産トークン化プラットフォーム「プリプコミント(Prypco Mint)」のパイロット版を導入したと5月25日に発表した。
「プリプコミント」は、ドバイの一等地にある物件に対して、ブロックチェーン上でトークン化された持分を少額から購入でき、その物件の家賃収入を通じてリターンを得られる投資プラットフォームとのこと。各社の報道によると同プラットフォームには、米リップル(Ripple)社が関与する分散型レイヤー1ブロックチェーンのXRPレジャー(XRP Ledger:XRPL)が採用されているという。
投資額は2,000ディルハム(約7万7,500円)から可能で、取引はすべてUAEディルハム建てで行われる。暗号資産(仮想通貨)の使用は認められていない。また対応する支払い方法は、銀行振込、デビットカード、クレジットカードとなっている。
現在「プリプコミント」で投資できるのは、有効なエミレーツID(UAE居住者の国家身分証明書)を保有する18歳以上の個人に限られているとのこと。
各物件については、1平方メートル(㎡)が10,000トークンに分割されており、各トークンの価格は物件の面積と価格に応じて決定されるという。ユーザーは、DLDが提供する不動産管理アプリのドバイレスト(Dubai REST)、または「プリプコミント」専用ウォレットのプリプコミントウォレット(PRYPCO Mint Wallet)を通じて、保有トークンの状況を確認・管理できるという。
なお「プリプコミント」では、1つの物件に対して保有できるトークンは、その物件の全トークンの最大20%までと定められている。また、物件が初めてトークンとして販売された日から3カ月間のロックイン期間が設けられており、この期間中はトークンの売却や譲渡が制限されるという。
DLDの発表によると、今後ドバイではトークン化された不動産資産が不動産市場全体の最大7%を占めるようになると予測されており、その市場規模は600億ディルハム(約2.3兆円)に達する可能性があるとのこと。
「プリプコミント」は、同プラットフォーム提供のプリプコ(Prypco)、DLD、トークン化プラットフォームのコントロールオルトソリューションズ(Ctrl Alt Solutions)の3社間で締結された戦略的パートナーシップと、ドバイ暗号資産規制機関(VARA)ライセンスに基づいて提供されているという。
あわせて「プリプコミント」プロジェクトは、VARA、アラブ首長国連邦中央銀行(CBUAE)、ドバイ未来財団(DFF)とも連携し、DLDが主導するリアルエステートサンドボックス(Real Estate Sandbox)内で実施されているという。またパイロット版においては、ザンドデジタル銀行(Zand Digital Bank)が銀行パートナーとして選定されている。
参考:DLD・Prypco
画像:iStock/Sergey-Khakimullin・artacet