暗号資産マーケットメイカー「GSR」、英国で事業拡大へ

GSRが英国で事業拡大へ

暗号資産(仮想通貨)のマーケットメイカーとして知られる暗号資産取引会社兼流動性プロバイダー「GSRマーケット(GSR Markets:GSR)」が、英国の規制当局である金融行為監督機構(FCA)から、暗号資産事業者として登録承認を受けたことを1月6日発表した。

これにより同社の英国法人「GSRマーケットUK(GSR Markets UK)」は、英国顧客向けに店頭取引(OTC)およびプログラムトレーディング形式の暗号資産取引サービスを提供可能になるとのこと。また、同社は取引ソリューションを顧客に提供しながら、規制された環境内でのサービス運営が可能になったという。

ちなみに「GSR」は昨年4月1日、シンガポール子会社「GSRシンガポール(GSR Singapore)」を通じて、シンガポール金融管理局(MAS)から主要決済機関(MPI)の完全ライセンスを取得済みだ。その結果、「GSR」はFCAとMASの両方から規制認可を取得した初の暗号資産プロバイダーになったという。

なお、今回の認可は「暗号資産(仮想通貨)市場規制法(MiCA)」の全面施行と同じタイミングで行われたため、GSRは今後、EU(欧州連合)全域で「MiCA」準拠の事業展開が可能になる見込みだ。

「MiCA」は、昨年12月30日にEU全域で全面施行された暗号資産の規制枠組みである。EU加盟国は、この規制の実施期限である12月30日までに対応を進めていたが、一部の国では、規制の実施が遅れているようだ。

ちなみに「GSR」のほかに、チリーズ(Chiliz)運営のファンエンゲージメントプラットフォーム「ソシオスドットコム(Socios.com)」も、EU全域で「MiCA」に準拠した事業展開が可能となったことを1月6日に発表している。なお「ソシオスドットコム」は、マルタ金融サービス庁(MFSA)から完全な規制認可を取得している。

また、昨年12月30日には、暗号資産決済プロバイダー「ムーンペイ(MoonPay)」、デジタル資産管理会社「ビットステート(BitStaete)」、ビットコインおよびライトニングネットワークを活用したゲーミングプラットフォーム「ゼベディー(Zebedee)」、流動性プロバイダーおよびプライムブローカー「ヒドゥンロードパートナーズ(Hidden Road Partners)」の4社が、オランダ金融市場庁(AFM)より暗号資産サービスプロバイダー(CASP)として承認されている。

これら4社は、オランダ中央銀行(DNB)に登録されているCASPとして、「MiCA」準拠の事業展開が可能とのことだ。

参考:GSR
画像:iStock/LuckyStep48

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
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