ヴィタリックがL2の分散化に圧力、ステージ1定義未達は来年以降認められず

ヴィタリックがL2ネットワークの分散化に圧力

イーサリアム(Ethereum)の共同創業者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏によるイーサリアムのレイヤー2ネットワークについて言及したXでの投稿が、さまざまな意見を集めている。

同氏はXにて、来年以降は原則として同氏が定義する「ステージ1」に到達しないL2ネットワークについては、公では支持しないと9月12日に投稿している。

ブテリン氏は以前投稿したブログ内で、イーサリアムのL2ネットワークについて、分散化の段階を「ステージ0」、「ステージ1」、「ステージ2」に分類し定義している。

「ステージ0」が「開発者がマルチシグによってシステムの問題解決に直接介入できる段階」、「ステージ1」が「不正証明や有効性証明に基本的に依存しており、限定的にマルチシグで介入できる部分を持つ段階」、「ステージ2」については「完全に分散化され、コードのみで稼働している段階」となっている。

なお「ステージ1」にある「マルチシグによる介入」といった緊急時の手法のことは「補助輪」と言い表されている。

「ステージ1」での「補助輪」の使用には、「承認者が8名以上で、そのうち75%以上の署名が必要」、「評議会メンバーの少なくとも26%がロールアップチーム外から参加」という厳しい基準が設けられている。

L2分析を公開している「L2Beat」によると、現在ステージ1のL2ネットワークは、「アービトラムワン(Arbitrum One)」と「OPメインネット(OP mainnet)」、「ZKsyncライト(ZKsync Lite)」、「dYdX v3」の4つのみである。

ブテリン氏の投稿によると、いくつかのゼロ知識証明ベースのブロックチェーンは今年中に「ステージ1」を達成できる計画であることを同氏に伝えているという。ゼロ知識証明の実装難易度からみて、「ステージ1」の達成が難しく「多くのzkロールアップチェーンが支持されない」といった問題は起きないと考えられる。

参考:ヴィタリックブログ
画像:iStock/style-photography・Rawpixel

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【10/10話題】GUグループがあおぞら銀行とステーブルコイン発行で提携、トランプのDeFiがAave上でサービス立ち上げかなど(音声ニュース)

GUグループがあおぞら銀行とステーブルコイン発行に向け提携、「トークン転換権付き社債」で1.5億円の資金調達も、トランプ一族のDeFiプロジェクト、「Aave」上でのサービス立ち上げ提案、コロンビアのネオバンクLittioがイーサリアムからアバランチへネットワーク移行。RWA需要の高まり受け、米資産運用会社VanEck、3000万ドル規模のブロックチェーン・暗号資産特化ファンド設立、FBI、捜査のために独自トークン「NexFundAI」発行、BLOCKSMITH、顔認証Web3ウォレットで特許取得、MARA、ビットコインマイニング事業にシェールガスを活用する試験開始、カナリーキャピタル、米SECに「XRP現物ETF」のS1申請書を提出、HBOのドキュメンタリー「Money Electric」がビットコインの生みの親はピーター・トッドだと主張し話題に=ロイター

トランプ一族のDeFiプロジェクト、「Aave」上でのサービス立ち上げ提案

米前大統領で2024年大統領選の候補者であるドナルド・トランプ(Donald Trump)氏とその家族が関わる暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial:WLF)」が、DeFi(分散型金融)レンディングプラットフォーム「Aave(アーベ)」のガバナンスフォーラムに提案書を10月9日提出した