米SEC、グレースケール申請の「現物イーサリアムETF」承認判断をまたも延期

次の期限は5月30日

米証券取引委員会(SEC)が、暗号資産(仮想通貨)運用会社のグレースケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)申請の現物イーサリアムETF承認判断をまたも延期した。3月22日付けの書類にてSECが発表している。

書類によれば、SECは「規則変更案の承認または不承認の命令を出すために、より長い期間を指定することが適切であると判断」し、2024年5月30日まで延期するとのことだ。

ブルームバーグ・インテリジェンスのジェームス・セイファート(James Seyffart)氏は、3月23日のXの投稿にて、この遅延命令を「予想通り」と述べている。

セイファート氏は昨年11月のポストにて「グレースケールが先物イーサリアムETFを立ち上げるつもりなのかさえ疑わしい。これはSECから19b-4命令を得るためのトロイの木馬にすぎない。イーサリアムの先物ETFもしくは現物ETFを非承認した場合、どちらもSECにとって不利だ。天才的な行動と言える」と述べている。

グレースケールは現在、米証券取引委員会(SEC)に現物イーサリアムの投資信託を「グレイースケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)」ETFへ転換する申請を行っている。

同ETFの判断は昨年12月に1度目の延期、今年1月に2度目の延期がなされており、今回で3度目となる。

2度目の延期の際にSECは、パブリックコメント募集に向けた複数の質問を行った。

具体的には、現物イーサリアムETFが現物ビットコイン(BTC)ETFに類似しているかどうかを問うものや、「ETHとそのエコシステムに関連する特定の特徴(プルーフ・オブ・ステーク[PoS]コンセンサス・メカニズム、少数の個人または事業体による支配や影響力の集中など)が、イーサリアム上場投資信託の詐欺や操作を受けやすくする可能性についての懸念があるか」という問題を提起している。

また3月21日には、SECがイーサリアム財団の複数の関連企業に対し、イーサリアム財団との取引に関する文書や財務記録の提出を求める召喚状を送っていたことが報じられた。

報道によればSECは、イーサリアムブロックチェーンが2022年9月に「プルーフ・オブ・ステーク」にガバナンスモデルを変更したことを理由に、イーサリアムを証券として定義しようとしているとのことだ。

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参考:書類
images:Reuters

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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