ソニー、米国でゲーム向け新コンセプト「スーパーファンジブルトークン(SFT)」の特許出願

SFTを特許出願

ソニーが、ゲーム向け新コンセプト「スーパーファンジブルトークン(SFT)」の開発に取り組んでいるようだ。2月29日付けの特許国内公開(patent application publication)にて明らかとなった。

なお特許国内公開は、特許の出願内容を公開する制度。出願から18か月後に公開される。国内公開された出願は、出願日に遡って他の出願の先行技術になる。この制度は、出願内容を非公開にして特許の取得を先送りし、技術普及を待ってから特許を取得・公開することで、利用者に多額の特許実施料を請求するといったことを防ぐために導入された経緯がある。

なお同書類を確認すると、ソニーの特許出願は米国にて2022年8月23日に行われたようだ。

同コンセプトでは、メタデータを用いることで、プレイヤー間で異なるゲーム内アイテム等といったゲーム資産に紐づくトークンの交換ができるようになるという。

書類によれば、ソニーはプレイヤーが新しいタイプのトークンを購入し、交換できる機能として、「SFT」と呼ばれる複数のNFTを1つのパッケージにまとめたものを開発中だという。この「SFT」は、複数種類のゲームに適用可能な多様なゲーム資産として扱われる。

特定のプラットフォームやゲームにおいては現在、ゲームまたはゲーム内アイテムを第三者に譲渡できるが、通貨を交換する方法は少ない。

しかし「SFT」では、特定のゲームアセットに紐づいたトークンの取引・販売が1度だけ可能だという。また「SFT」内の資産は入れ替えが可能であり、カスタマイズできる点も利点の一つだ。

「SFT」では、プレイヤーの入力情報に基づいて、どのゲーム資産がトークンに紐付けられているかを認識するメタデータを使用する。

「SFT」を使用し、他プレイヤーとのアイテム交換のみならず、トークン内の個別NFTへのアクセスも可能になるという。

これは1つのゲームから別のゲームへアイテム移行ができるようになる可能性を示している。

現在、プレイステーションストア(PlayStation Store)やスチーム(Steam)等では代替可能なデジタル通貨が使用されているが、「SFT」は第三者と交換するという代替手段を提供する。

なおゲーム専門誌「ゲームレント(Game Rant)」によると、1つのNFTを複数のゲームで使いたいといった要望もあるため、「STF」は今後、複数のNFTを含むアイディアを拡張する可能性も推測される。

ソニーグループの事業会社ソニーネットワークコミュニケーションズは昨年9月、日本発のパブリックブロックチェーン「Astar Network(アスターネットワーク)」のファウンダー渡辺創太氏がCEOを務めるStartale Labs(スターテイルラボ)と新会社設立を目的とした合弁契約の締結を発表。

新会社の名称は「Sony Network Communications Labs Pte. Ltd.」で、「急速に進化を続けているブロックチェーン技術の力を最大限に活用し、Web3キラーユースケースの創出に向けて、Web3時代を支えるグローバルインフラとなるブロックチェーンの開発を目指す」会社だと伝えられている。

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参考:特許国内公開(patent application publication)
images:iStocks/your_photo

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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