JPモルガン、暗号資産リスク管理ツール提供エリプティックへ出資

JPモルガン、暗号資産リスク管理ツール提供エリプティックへ出資

暗号資産(仮想通貨)のリスク管理ツール開発・提供する英エリプティック(Elliptic)が、JPモルガン(JPMorgan)から資金調達したことを5月26日に発表した。JPモルガンからの出資により、エリプティックはグローバル展開を加速し、伝統的な金融機関がより高い信頼と確信を持ち暗号資産を受け入れられるように取り組んでいくという。

2013年に英ロンドンで設立されたエリプティックは、暗号資産取引のリスク評価・分析を行うマネロン対策ソリューションを金融機関、政府機関、フィンテック企業および暗号資産関連事業者に提供している企業だ。エリプティックのプロダクトは、全暗号資産の時価総額98%をサポートしているという。

ちなみにJPモルガンからの出資は、昨年10月に発表したシリーズCの延長ラウンドとのことだ。シリーズCラウンドは、エヴォリューション・エクイティ・パートナーズ(Evolution Equity Partners)が主導し、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SoftBank Vision Fund 2)やSBIグループが参加した。

エリプティックのCEOシモーネ・マイニ(Simone Maini)氏は、次のようにコメントしている。

「資産クラスとして、暗号資産は過去5年間で10倍以上成長し、現在1兆ドル以上の価値があります。この先さらに10倍の成長が見込まれ、その原動力となるのは、金融の未来を形作ることに熱心な企業でしょう。私たちは、組織が暗号資産の真の価値を解き放つことができるよう、その機会を提供することに重点を置いています。金融機関がこの分野に参入するにつれ、これらの企業は、いつ取引を実行させてもよいのか、いつ介入すべきなのかを理解する必要があります。金融犯罪を阻止することは、規制上の要件というだけでなく、倫理的な要件であり、安全な生態系というのはすなわち健全な生態系でしょう」

なおエリプティックは日本でも展開しており、bitFlyer、SBIVCトレード、GMOコイン、DMM Bitcoinなどの暗号資産取引所にサービス提供している。

参考:Elliptic
デザイン:一本寿和
images:iStocks/BadBrother

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【10/10話題】GUグループがあおぞら銀行とステーブルコイン発行で提携、トランプのDeFiがAave上でサービス立ち上げかなど(音声ニュース)

GUグループがあおぞら銀行とステーブルコイン発行に向け提携、「トークン転換権付き社債」で1.5億円の資金調達も、トランプ一族のDeFiプロジェクト、「Aave」上でのサービス立ち上げ提案、コロンビアのネオバンクLittioがイーサリアムからアバランチへネットワーク移行。RWA需要の高まり受け、米資産運用会社VanEck、3000万ドル規模のブロックチェーン・暗号資産特化ファンド設立、FBI、捜査のために独自トークン「NexFundAI」発行、BLOCKSMITH、顔認証Web3ウォレットで特許取得、MARA、ビットコインマイニング事業にシェールガスを活用する試験開始、カナリーキャピタル、米SECに「XRP現物ETF」のS1申請書を提出、HBOのドキュメンタリー「Money Electric」がビットコインの生みの親はピーター・トッドだと主張し話題に=ロイター

トランプ一族のDeFiプロジェクト、「Aave」上でのサービス立ち上げ提案

米前大統領で2024年大統領選の候補者であるドナルド・トランプ(Donald Trump)氏とその家族が関わる暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial:WLF)」が、DeFi(分散型金融)レンディングプラットフォーム「Aave(アーベ)」のガバナンスフォーラムに提案書を10月9日提出した