ステーブルコインをビットコインライトニングで、Lightning Labsが「Taro」発表

ステーブルコインをビットコインライトニングで、Lightning Labsが「Taro」発表

ビットコイン関連技術を開発するライトニングラボ(Lightning Labs)が、新プロダクト「Taro(タロー)」を4月5日に発表した。ライトニングラボはエリザベス・スターク(Elizabeth Stark)氏が創業した企業。ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)も同社を支援している。

Taro」は、ビットコインネットワークのセキュリティと安定性、そしてライトニングネットワークのスピード、スケーラビリティ、安価な手数料という性質を活用したプロダクトだ。

具体的に「Taro」は、ライトニングネットワークを採用するアプリ上で、ステーブルコインの使用を可能し「ドルのビットコイン化」の実現を目指すプロダクトだという。

ライトニングラボは、「Taro」を発表したことはマルチアセットライトニングネットワークへの大きな転換を意味し、世界の通貨がネットワーク上のビットコインの流動性を介してルーティング(異なるネットワークにパケットを送信できる)可能性を示せた、としている。

さらに「Taro」は具体的に「最も分散化され、安全なブロックチェーンであるビットコイン上でステーブルコインのような資産を発行し、ユーザーが最も手数料の安い世界最速の決済ネットワークであるライトニングで取引できるようにするという、両者の長所を手に入れ、ドルをビットコイン化する重要なステップ」だと説明されている。

ちなみに「Taro」は、昨年11月のビットコインの取引のプライバシーとセキュリティの向上を目指したコードのアップグレード「taproot」がなければ実現しなかったという。

「Taro」のトランザクション処理の簡単な概要としては、法定通貨(米ドル)がライトニングネットワークチャネル専用のステーブルコイン「L-USD(Lightning-USD)」となり、ビットコインとして決済される仕組みになっているとのこと。

ライトニングラボは、オープンなプロトコルである「Taro Bitcoin Improvement Proposal(BIP)」を公開し、開発者コミュニティからのフィードバックとコメントの募集を開始している。

なおライトニングラボは、7000万ドル(約78億円)の調達を実施したことも併せて発表した。

このラウンドシリーズBには、ピーターティール(Peter Thie)氏が率いるヴァーラーエクイティーパートナーズ(Valor Equity Partners)、英資産運用会社ベイリーギフォード(Baillie Gifford)、米ベンチャーファンドのゴールドクレスト(Goldcrest)、英ファンドのキングスウェイ(Kingsway)、ビットコイン技術特化ファンドのスティルマーク(Stillmark)、英ヘッジファンドのブレバンホワード(Brevan Howard)、デジタル資産運用企業のNYDIG、ロビンフッド(Robinhood)CEOのブラッド・テネブ(Vlad Tenev)、シルバーゲート銀行(Silvergate)CEOのアラン・ラネ(Alan Lane)らが参加した。

参考:Lightning Labs
images:iStocks/24K-Production・BadBrother
デザイン:一本寿和

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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