新規コイン上場は? USDCは? セキュリティは?「コインベースに訊く、日本戦略」北澤直氏 インタビュー

日本企業の暗号資産保有の可能性は? 

−米国では上場企業や機関投資家の暗号資産保有が進んでいますが、日本にもその流れは来るのでしょうか?

あきらかに米国ではこの1、2年で機関投資家の暗号資産市場への参加が顕著になっています。一方でおっしゃる通りまだ日本では、機関投資家の方々の取引高が重要な部分を占めてるという状況ではないですよね。

一般的に機関投資家は投資対象としての資産をある程度定義づけ、アップサイドのみならずダウンサイドを確認できて、市場参加していきます。その意味では日本で近年ハッキング事件が起きたことも影響しているかもしれません。また法的な枠組みの整備も必要です。

ただ、それはある意味伸び代だと思ってます。

現在は上場企業の株主などの投資家が、個人マネーで暗号資産に投資しはじめている段階ではないかと個人的に考えてます。

だから日本でも上場企業や機関投資家が株主などステークホルダーの信任をちゃんと受け、投資する腹落ちがができれば、実行されるという状態だと思っています。

だから今後、日本にも米国のような流れは来ると私は考えています。

−米国コインベースは多くの企業の暗号資産購入等をサポートしていますが、日本でもその事業を行なっていく予定はありますか?

もちろんあります。私たちの「経済的自由を世界中で高めたい」というミッションに関しては、地域にも関わらず実行していきたいです。

日本でクリプトエコノミーに寄与する企業様や、全体的な観点から私たちのミッションに通じるような方々をサポートすることは当然考えたいです。

コインベースのセキュリティについて

−日本のコインベースは、米国と同じセキュリティシステムを使うのでしょうか?

米国と同じセキュリティシステムを使います。

日本のコインベースは国内で担当者、専門家を置いてオペレーションする一方で、グローバルリソースをしっかりと使うという仕組みになっています。

具体的にそのような仕組みで、どう安全で高いセキュリティを日本に展開するか、金融庁としっかりと議論してきました。その結果、私たちがグローバルでやりたいと思っている形を日本でも展開することができたと思います。

セキュリティの話なので具体的なことを言えないのは非常に歯がゆいのですが、そこには本当に自信を持っております。

実際にコインベースはこれまでに物凄い数の攻撃を受け続けてきましたが、一度も資産を外部に流出したことはありません。

もちろん日本でも同じレベルのセキュリティ水準を提供できると自負しております。

またあくまで仮にですが、米国のコインベースに何かあった場合でも、日本のお客様の資産に影響が出るようなことがないようにその辺りの仕組みもしっかりと作っています。

日本の規制について

−コインベース日本法人は、2018年に日本で法人を作ってから、サービス開始まで約3年間、日本の規制当局と色々な調整をしてきたと思います。日本の暗号資産規制に関してどのように評価していますか?

日本は世界でもいち早くクリプトを法制度化して真正面から取り扱った国です。その後いろいろありましたが、ちゃんと失敗を活かし、新しく法制度化していくためのしっかりとした枠組みも作りあげてきたと思います。 

また日本は顧客保護やマネロン対策にも真正面で対応しており、世界で比べても先進的だと思っています。

米国はレギュレーションの考え方が日本と違います。日本がルールベースで、アメリカは重要なポイントをピックアップしながらレギュレーションを作っていくスタンスです。

そのため未だに米国ではクリプトの取り扱いをどうするかに関して、各当局での考え方の違いがあり、現在インフラ法案のような議論も出てきています。そういった意味でも、日本は先行していると感じています。

だからコインベースが日本参入に時間がかかったことに関して、私たちはあまり違和感がありません。CEOのブライアン・アームストロングも、この何年じっくり待ってくれて、僕がレギュレーターと真摯に向き合い話すことを歓迎してくれました。

取材/執筆:竹田匡宏(あたらしい経済)
編集:設楽悠介(あたらしい経済)

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【解説】シンボル(XYM)のキプロス実装と、ネム(XEM)のハーロックとは? 何が変わる?(Symbol NEMコミュニティ トレスト氏)

「あたらしい経済」編集部は、国内のSymbol & NEMコミュニティの有識者のトレスト氏(@TrendStream)に取材。今回成功した「キプロス」ハードフォークと、今後の「ハーロック」、そしてこれらのハードフォークが成功することの意義について、語っていただいた。

「NFTにもっと流動性を」ユニマがNFT買取サービスをはじめる理由(モバイルファクトリー COO 深井未来生)

「あたらしい経済」はモバイルファクトリー 取締役COO・ビットファクトリー 代表取締役の深井未来生氏を取材。同社が買取サービスを開始した理由、マーケットプレイスの今後のアップデート、そしてどのようにこれから日本のNFT市場を盛り上げていきたいかなどについて訊いた。

【独占取材】北島康介が目指すプロスポーツ業界の変革、「Web3.0」で新たなアスリートエコノミーを

「あたらしい経済」はプロスポーツに最先端のテクノロジーを活用しようと試みる、北島康介氏に独占インタビューを実施。北島康介氏がなぜチーム運営にWeb3.0の技術を活用しようと考えたのか、具体的にどのような取り組みを検討しているのかについて訊いた。

【取材】芥川賞作家 上田岳弘、Loot系NFT「Obsession2020」をグラコネと発行

ミスビットコインこと藤本真衣氏が代表を務める株式会社グラコネが、芥川賞作家の上田岳弘氏とコラボしてNFTプロジェクトを開始した。このプロジェクトは「Obsession2020」と名付けられており、現在NFT業界のトレンドになっている「Loot (for Adventurers) 以下:Loot」の仕組みを応用した実証実験とのことだ。なお技術協力としてNandemoToken氏も参画している。

本のゲラがNFT、山口周ベストセラー『ビジネスの未来』の裏側が限られた読者の手へ

今年の4月、NFTマーケットプレイス「ユニマ」の情報が飛び込んできた。そしてユニマのローンチ後にNFTとして販売されるコンテンツの中に、『ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す』という書名、そしてその著者である山口周氏の名前があった。なお当時の発表では、企画詳細については「出版社と実施に向け協議中」となっており明かされていなかった。

Sponsored

【取材】職場コミュニティ活性化支援サービス「PRAISE CARD」とは?(博報堂広報室)

株式会社博報堂と株式会社博報堂コンサルティングが、日本ユニシス株式会社と共同で、職場コミュニティの活性化支援アプリサービス「PRAISE CARD(プレイズ カード)」を開発を8月23日発表した。 「PRAISE CARD」は、職場コミュニティの活性化と、その活性度の分析を通じてコミュニティの状態の可視化を支援するサービスとのこと。コロナ禍のテレワークで離れて業務を行っている社員同士が、専用スマホアプリからデジタルカードを送りあうことで、日頃の協力や行動に対し社員同士で感謝や称賛の気持ちを伝えることができる。