【独占取材】北島康介が目指すプロスポーツ業界の変革、「Web3.0」で新たなアスリートエコノミーを

北島康介氏率いる「Tokyo Frog Kings」の挑戦

北島康介氏率いる、インターナショナル・スイミング・リーグ(ISL/競泳の国際プロリーグ)の「Tokyo Frog Kings」が、今年7月にブロックチェーンや暗号資産を活用したweb3.0の取り組みを実施することを発表した。

なおISLの今季レギュラーシーズンは先月26日にイタリア・ナポリ開幕しており、12月に予定されている決勝に向け、五輪や世界水泳のメダリストをはじめとした世界のトップ選手らで構成された10チームの熱いバトルが繰り広げられている。

写真:Mine Kasapoglu

今回、北島康介氏がゼネラルマネージャーを務める「Tokyo Frog Kings」は、ブロックチェーン関連の事業を展開するFracton Ventures株式会社とParadeAll株式会社と提携し、チームをWeb3.0ネイティブなプロスポーツチームとする為の共同プロジェクトを実施していくとのことだ。

「あたらしい経済」はプロスポーツに最先端のテクノロジーを活用しようと試みる、北島康介氏に独占インタビューを実施。北島康介氏がなぜチーム運営にWeb3.0の技術を活用しようと考えたのか、具体的にどのような取り組みを検討しているのかについて訊いた。

なぜスポーツにWeb3.0か?

−どのようなきっかけでWeb3.0をチーム運営に活用しようと考えたのでしょうか?

僕がGMを務める「Tokyo Frog Kings」が参加するISLは、今季で3年目のまだまだこれから成長していくプロリーグです。例えば今年からドラフトが始まったりなど、毎年ルールが変わっているような、いい意味で激しく改革のできる状況にあります。

そんな状況の中で、いかにチームを強く、そしてリーグ全体を盛り上げていくか。それを考えた時に、Web3.0の技術を取り入れることで新たなプロスポーツチーム運営や、リーグの活性化ができるのではないか、その方法が見出せるのではないかと考えたんです。

例えばこれまでプロスポーツチームの運営は、企業のスポンサーに頼るものが一般的でした。もちろん「Tokyo Frog Kings」はこれまでのような企業スポンサーもとっていきますが、それと両軸でWeb3.0を活用したあたらしい取り組みも進めていきたいと思っています。

−具体的にはブロックチェーンや暗号資産の技術を活用する取り組みとなると思いますが、北島さんはこれまでこれらの技術はご存知でしたか?

ちょうど僕が引退した頃に暗号資産は日本でも盛り上がっていましたよね? その頃から実際に僕も投資などしていました。またブロックチェーンの技術も知ってはいました。

ただ一方、このジャンルの技術は本当についていけないぐらい成長が早い分野だと感じてまして、だからこそ今回「Fracton Ventures」と「ParadeAll」と組むことでその部分をサポートしてもらいたいと思ってます。

そして今回チーム運営にこれらの技術を取り入れることになったので、最近は「Fracton Ventures」と「ParadeAll」に機会を作ってもらって、業界内の詳しい方々とお話しを聞いたりなど勉強しています。でも本当に、知れば知るほどWeb3.0の世界観に魅力を感じている状況です。

北島康介氏と「Fracton Ventures」「ParadeAll」のメンバー

契約や年金やクラブトークンなど、持続可能なチーム運営を目指して

−北島さんは具体的にどうWeb3.0の技術を活用することをイメージしていますか?

ブロックチェーンは選手との契約に活用することもできると思ってますし、暗号資産を賞金に活用したり、例えば選手が引退後に受け取る年金的なものに暗号資産を活用したりすることもできるのではと構想しています。

また少し前に「NBA Top Shot」が流行りましたが、そのようにNFTを活用して選手個人に収益が還元できる仕組みを作ったり、また他のスポーツではすでに事例があるようなクラブトークン、ファントークンみたいなことも検討していきたいと思ってます。

プロスポーツにおいて、そのチーム運営においてもやはり持続可能にすることが大切だと思っていて、そういったことにWeb3.0の技術を活用していきたいですね。

写真:Mine Kasapoglu

−それらの技術は現状のプロスポーツをめぐる課題を解決できそうでしょうか?

今回僕自身がプロスポーツチームの運営に取り組んでみて、とにかく色々な「しがらみ」があることを改めて認識できたんです。そしてそれらの仕組みは決してアスリートファーストでなかったりする。またそういう仕組みの中に甘えてしまっているアスリートもいる。

だからそれらを解決するためにも、まさにWeb3.0の取り組みが既存のGAFAのような存在をディスラプトしようとしているように、プロスポーツのマーケットにおいても有効なのではないかと考えています。

僕自身が現役時代に選手としてでは変えられなかったことも、変えていきたい。

Web3.0で新たな「アスリートエコノミー」を

−しかし北島さんは日本で初のプロ水泳選手であり、その道を切り開いた方だと思ってます。

そうなんですけれど、僕の場合は企業にスポンサードしてもらってプロとしてやってましたが、厳密に言えば、純粋に泳ぐことだけでお金をもらえていたわけではなかったと思います。

だからこそ新しい技術を活用して、純粋に選手が泳ぐことだけで生活できるなど、もっと選手が個人として生きていける状況を切り開いていきたいと思ってます。

最近ではNFTなど、Web3.0の技術はクリエイターエコノミーの文脈で語られることも多くなってきましたが、今回パートナーになった企業の皆さんと話していて、それはアスリートでもフィットすると感じました。

とにかくこのリーグも、僕のチームも、僕自身も世界中の様ざななプロスポーツから比べれば、新参者です。だからこそ、やりたいことは全部やってやろうと考えてます。そして新たなアスリートエコノミーを切り開いていきたいと思ってます。

−最後にファンにメッセージを。

僕自身昨年このリーグに参戦して、このリーグの面白さを肌で感じました。本当に自分が泳いでなくても楽しいと思えたんですよね。ルールは若干複雑ではあるんですが、とりあえず見てもらえればプロ水泳の面白さを感じてもらえると思いますので、ぜひまずは試合を見ていただきたいです。

そして今後僕たちはWeb3.0の技術活用して、チームや選手はもちろん、ファンの皆さんにとってもこれまでにない価値創造ができるのではとワクワクしています。ぜひぜひそのあたらしい取り組みも応援していただきたいです。

写真:DeepBlueMedia

 

取材/編集:設楽悠介(あたらしい経済)
インタビュー写真:大津賀新也(あたらしい経済)

この記事の著者・インタビューイ

設楽悠介

「あたらしい経済」編集長/幻冬舎コンテンツビジネス局局長
幻冬舎のブロックチェーン専門メディア「あたらしい経済」を創刊。同社コンテンツビジネス局で新規事業やコンテンツマーケティングを担当。幻冬舎コミックス、エクソダス等の取締役も兼務。個人活動としてAmazon Musicで「みんなのメンタールーム」やVoicyで「風呂敷畳み人ラジオ」、PodcastとYouTubeで「#欲望のSNS」などのコンテンツを配信。Forbes JapanでWeb3に関するコラム「ポストDXの世界」連載中。著書に『「畳み人」という選択 』(プレジデント社)。

「あたらしい経済」編集長/幻冬舎コンテンツビジネス局局長
幻冬舎のブロックチェーン専門メディア「あたらしい経済」を創刊。同社コンテンツビジネス局で新規事業やコンテンツマーケティングを担当。幻冬舎コミックス、エクソダス等の取締役も兼務。個人活動としてAmazon Musicで「みんなのメンタールーム」やVoicyで「風呂敷畳み人ラジオ」、PodcastとYouTubeで「#欲望のSNS」などのコンテンツを配信。Forbes JapanでWeb3に関するコラム「ポストDXの世界」連載中。著書に『「畳み人」という選択 』(プレジデント社)。

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