シティバンクやBNYメロンらがブロックチェーン債発行へ、マーケットノードと提携

シティバンクらブロックチェーン債発行へ

シティバンク、BNYメロンなど合計10社が、シンガポール証券取引所(SGX)のジョイントベンチャー「マーケットノード(MarketNode)」と提携し、ブロックチェーン債を発行する予定であることが9月27日分かった。

「マーケットノード」はSGXとシンガポール政府ファンドのテマセク(Temasek)のジョイントベンチャーだ。なおブロックチェーン債とは、ブロックチェーン上で、発行、流通、召喚、管理される債券のこと。

発表によればこの提携は、デジタル債券の発行サービス、ESG債券データ、デジタルアセットの預託インフラに焦点を当てた今後のプロダクト発表に先立ったものとのこと。

またシティバンク、BNYメロンに加え、提携したのは、バークレイズ、BNPパリバ、ドイツ銀行、HSBC、オリエント・セキュリティーズ・インターナショナル、スタンダードチャータード、ソシエテ・ジェネラル、UOBとなっている。

そして発行プラットフォームについては、「マーケットノード」がCovalent Capital、RootAnt Global、SETLと提携し、開発が進められているとのことだ。すでにデジタル・ボンド・ストレート・スルー・プロセッシング(STP)などの統合サービスが開始されていると発表されている。

SGXの債券・通貨・コモディティ(FICC)部門の責任者であるリー・ベンホン(Lee Beng Hong)氏は、次のようにコメントをしている。

「当社は、新技術の出現により金融業界が直面しているパラダイムシフトを引き続き受け入れます。銀行やテクノロジーパートナーと協力することで、ネットワーク効果を生み出し、銀行、発行体、投資家の利益のために、単一のプラットフォームでクロスアセットに適用できる規模と能力を構築しています。

私たちは資本市場のデジタル変革を加速する役割を果たすために、マーケットノードに参加するすべての市場参加者を歓迎します」

テマセクのマネージングディレクターであるプラディウムナ・アグラワル(Pradyumna Agrawal)氏は次のようにコメントしている。

「これらの銀行がマーケットノード・プラットフォームに参加したことは、重要なマイルストーンです。デジタル資産のためのエンドツーエンドのインフラストラクチャとサービスの市場をさらに検証するものです。プラットフォームの提供と機能の強化に向けた彼らの貢献は非常に貴重なものです。

私たちは、より多くの市場参加者を迎えることを楽しみにしています。産業界の関与の増加は、規模、堅牢性を促進し、より大きな資本市場インフラの革新を促進します」

参考:シンガポール証券取引所
デザイン:一本寿和
images:iStocks/RRice1981・pgraphis

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

米DTCC子会社DTC、SECからノーアクションレター取得。規制下のトークン化サービス検証へ

米国の金融市場インフラを担うデポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(Depository Trust & Clearing Corporation:DTCC)が、子会社であるデポジトリー・トラスト・カンパニー(Depository Trust Company:DTC)について、米証券取引委員会(SEC)の取引市場部門スタッフからノーアクションレターを取得したと12月11日に発表した

スーパーステートがトークン化株式の直接発行プログラム公開、ソラナとイーサリアムに対応

金融テクノロジー企業のスーパーステート(Superstate)は、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)のブロックチェーン上でトークン化された株式を、米SEC(証券取引委員会)登録の公開企業(上場企業を含む)が直接発行できる新プログラム「ダイレクト・イシュアンス・プログラム(Direct Issuance Programs)」を12月10日に発表した