金融庁、暗号資産取引所規制やNFTなど含む金融行政方針公表

金融庁、取引所規制やNFTなど含む金融行政方針公表

金融庁が2021年度の金融行政方針を8月31日に発表した。その方針には、暗号資産領域に関する方針も含まれている。

暗号資産に関しては、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FATF)等への取り組みと、暗号資産交換業社へのセキュリティ面に関する検査・監督、NFTやIEOなどの新たな事業モデルへのモニタリング範囲などについて言及されている。

具体的にFATF等への取り組みに関しては「暗号資産及び暗号資産交換業者に対するリスクベースアプローチに関するガイダンス改訂案の最終化などでしっかりとリーダシップを発揮する方針」を示している。

また暗号資産交換業者へのセキュリティ面に関して、昨年度は「暗号資産交換業者において課題となっていたサイバーセキュリティの実施状況等について、通常の検査・監督を実施するとともに、サイバーセキュリティ水準を向上させるため、サイバーセキュリティ演習への参加を通じて、業界全体として、インシデント発生時における顧客資産の保護に対する全社的な意識付けや、対応手順等の整備が進んでいることが確認できた」としており、「同事業者に対しては、上記以外に、暗号資産デリバティブ取引も含め、生じ得るリスクを適切に把握した上で、リスクベースの登録審査・モニタリングを実施した」とのこと。

そして今年度は「暗号資産の価格が大きく変動するとともに、関連ビジネスは目まぐるしく変化している。暗号資産交換業者におけるビジネスモデルを適切に把握し、利用者保護の観点から、ガバナンス・内部管理態勢等について、機動的かつ深度あるモニタリングを継続的に実施するとともに、検査・監督やサイバー演習等を通じて、継続的にサイバーセキュリティの水準向上を図る」としている。

また新規の暗号資産交換業の登録申請者に関しては「審査プロセスの透明性を維持しつつ、より迅速に登録審査を進める。また、無登録事業者に関する利用者相談が引き続き寄せられていることを踏まえ、無登録事業者に対し厳正に対応する」とのことだ。

なおNFTやIEOなどの新たな事業モデルへのモニタリング範囲などに関しては「現在、暗号資産交換業者においては、NFT関連事業やIEOなど、従来の暗号資産交換業に含まれないものも含めた新たな業務が開始・検討されているため、イノベーションの促進と利用者保護のバランスに留意しつつ、モニタリングしていくべき範囲や深度、着眼点を検討する」とし、あるべきモニタリングの枠組みについて検討するとのことだ。

日本はかつては世界に先駆けて法律を整備するなど暗号資産市場を牽引してきた国の一つではあったが、2018年のコインチェックのハッキング被害などの要因で規制が強化を余儀なくされ、現状は遅れをとっている部分も多い。

ただ世界各国もFATF等への対応などで規制の強化が進みはじめており、規制とイノベーションのバランスをどのようにとっていくかが暗号資産市場の未来を大きく左右することになるだろう。日本としては、その適切なバランスをとって再び世界の市場で存在感を示せることを期待したい。

参考:金融庁
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Rawpixel・ELIKA

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【4/12話題】ワールドコインのユーザー数が1000万人、メルカリのビットコイン取引サービス利用者数200万人など

ワールドコイン(WLD)、「World App」ユーザー数が1000万人突破、メルカリのビットコイン(BTC)取引サービス、利用者数200万人突破。サービス開始1年で、米サークル、ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」を「USDC」に交換可能に、川崎重工とSettleMint、ブロックチェーン活用による品質管理の実証実験、GMOコイン、レバレッジ取引に6銘柄追加。ソラナ(SOL)やコスモス(ATOM)など、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、Sui(SUI)上にローンチ、Bitfinex Securities、ヒルトンホテルへの資金提供としてエルサルバドル初のトークン化債券を導入、バイナンス、米当局と和解後にコンプライアンス遵守へ向け注力、新CEO語る、a16z crypto、ゼロ知識証明を用いたソリューション「Jolt」リリース、米クラーケン、アイルランドとベルギーで「モネロ(XMR)」上場廃止へ