米スクエア、ビットコイン分散型取引所を構築へ

米スクエア、ビットコイン分散型取引所を構築へ

米スクエア(Square)による、オープンソースのビットコイン分散型取引所の構築の方向性の決定を、8月29日に同社CEOジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏が明かした。

この計画については7月16日に、既に新部門にて開発を進めるとにジャック氏がツイートで明かしていたが、8月28日にその新部署の代表を務めるマイク・ブロック(Mike Brock)氏のツイートを引用リツイートする形で、その決定が明かされた。

引用されたマイク氏のツイートは以下の通りだ。

私たちは、ビットコインがインターネット上のネイティブな通貨になると信じています。インターネットをより非中央集権的にするためのプロジェクトは数多くありますが、私たちが注目しているのは、すべての人に健全なグローバル通貨システムを提供することです。しかし、すべての人を対象とするには、私たちが不足していると考えるいくつかの要素が必要です。

また現在、ビットコインを入手するには、Cash Appや Coinbaseのような中央集権管理型のサービスで法定通貨を交換するのが一般的です。これらのビットコインの取引の入口と出口にはいくつかの問題があり、世界中に均等に分布しているわけではありません。それが私たちが解決しようとしている問題です。

ビットコインの取引の入口と出口を構築するプラットフォームを通じて、世界のどこにいてもノンカストディアルなウォレットに簡単に資金を供給できるようにします。これは法定通貨の分散型取引所と考えることができます。

スクエアの2021年Q1ビットコイン売上は約3,800億円で前年比11倍となっており、ビットコインを取り扱う「Cash App」の成長が著しい。

だが今後分散型取引所を構築することで、スクエアは自ら「Cash App」のサービス構造に対抗する事業を生み出すこととなるだろう。またスクエアは7月に暗号資産のハードウェアウォレットの開発の計画も明らかになっている。

なおジャック氏は今月16日に分散型ソーシャルメディアプロジェクト「ブルースカイ(Bluesky)」のプロジェクトリーダーが確定したことも明らかにした。このプロジェクトは同氏がCEOを務めるツイッターと競合する可能性を持っている。

なお「あたらしい経済」が2019年にジャック氏に取材した際、彼はビットコインの可能性について以下のようにコメントをくれた。

「これまでもインターネットは最終的にネイティブな通貨を持つようになると信じてきました。そしてインターネットが本当に排除された可変的な境界を持つようになると、世界がどんどん小さくなっていくかもしれません。世界を小さくしていくための最後の大きな要素が通貨です。暗号資産の世界、特にビットコインはその答えを提供していると思います」

これまでの中央集権的なインターネットの一時代を築いた一人でもあるジャック氏。そんな彼が今日見せる分散型への関心、そしてイノベーションのジレンマを積極的に突破しようとする姿勢に、注目だ。

参考:ジャック・ドーシー
デザイン:一本寿和
images:iStocks/LongQuattro

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【3/18話題】マイクロストラテジー・メタプラネット・Sサイエンスがビットコイン購入、米国初のスイ現物ETFが申請など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

Ethena LabsとSecuritize、新たにEVMチェーン「Converge」立ち上げ

DeFi(分散型金融)プラットフォーム「エセナ(Ethena)」開発のエセナ・ラボ(Ethena Labs)とデジタル資産発行プラットフォーム運営のセキュリタイズ(Securitize)が共同開発したイーサリアム互換の新ブロックチェーン「コンバージ(Converge)」が、2025年第2四半期にリリース予定であることが3月18日に発表された