XRPレジャーで「fixCleanup3_4_0」有効化、権限外のトークン発行につながる不具合を修正

権限委任機能の不具合など複数の問題を修正

XRPレジャー(XRP Ledger:XRPL)のメインネットで、トークンの権限管理などに関する複数の不具合を修正する「フィックスクリーンアップ3_4_0(fixCleanup3_4_0)」が11月4日に有効化された。XRPLの稼働状況を監視するサイト「XRPウィンエクスプローラー(XRPLWin Explorer)」の記録で確認できる。今回の更新では、トークンの焼却権限のみを付与されたアカウントが、特定の条件下でトークンを新規発行できてしまう問題などが修正された。

今回の修正は、10月8日に有効化された権限委任機能「パーミッション・デリゲーションV1_1(PermissionDelegationV1_1)」に関係するものだ。同機能は、アカウントの所有者が、特定の操作を別のアカウントに任せるための仕組みだ。例えば、ステーブルコインを保有するアカウントは、トークンを発行元に送り返して消滅させる「焼却(バーン)」の操作を、別のアカウントに委任できる。これにより、アカウント全体の管理権限を渡さずに、必要な操作を分担できる。

しかし、従来の仕組みでは、トークンを焼却するための「ペイメント・バーン(PaymentBurn)」権限を委任されたアカウントが、特定の送金処理を通じてトークンを新規発行できる場合があった。これに対し、今回の修正では、新規発行権限を持たないアカウントが、焼却権限を利用して新たなトークンを発行できないようにした。なお、この問題はXRPL上で発行されるトークンに関するもので、ネットワークのネイティブ資産であるXRP自体には影響しない。XRPLの公式ドキュメントでは、修正が有効化されるまで焼却権限を委任しないことが推奨されていた。

このほか、今回の更新では、開発中の多目的トークン(MPT)対応に関する、暗号資産の交換を自動化する仕組み「自動マーケットメーカー(AMM)」において、端数処理によってMPTの回収量がゼロになった場合でも、持分を示すLPトークンが焼却される問題も修正された。また、資産保管機能「シングルアセット・ボールト(Single Asset Vaults)」の計算処理や、レンディングプロトコルの資産管理に関する不具合なども修正された。ただし、今回の修正は、これらの機能自体を有効化する修正案とは別のものだ。さらに、取引できる参加者を限定する「許可型DEX」や、一定の条件を満たすまで資産を保管する「エスクロー」の処理も改善された。

フィックスクリーンアップ3_4_0は、9月17日に公開されたXRPLのサーバーソフトウェア「リップルド3.4.0(rippled 3.4.0)」に収録されていた。XRPLでは、ネットワークの変更に対する信頼されたバリデーター(取引の検証者)の80%以上が2週間にわたって支持することで、変更が有効化される仕組みとなっている。同修正案は10月9日に必要な支持を獲得したものの、10月21日に支持が必要な水準を下回った。その後、同日に再び必要な支持を獲得し、14日間にわたって維持したことで、11月4日に有効化された。 

参考:XRPウィンエクスプローラー・ギットハブ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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