スタークネットの独立L1移行調査、ガバナンス投票で93.52%が支持

独立L1への移行調査を支持、11月にホワイトペーパー草案公開へ

イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2(L2)ネットワーク「スタークネット(Starknet)」のガバナンスで、量子コンピューターへの耐性を備えた独立したレイヤー1(L1)への移行に向けた調査を進める提案が10月22日に可決された。なお、今回の投票に拘束力はなくL1への移行自体が決定したわけではない。

投票は10月15日から22日までの7日間にわたり実施された。投票結果は賛成93.52%、反対4.57%、中立1.91%で、投票件数は3,236件だった。行使された投票権は合計約4億8,930万STRKで、各選択肢の割合は投票者数ではなく投票権に基づいて算出されている。また、スタークネットの開発を主導するスタークウェア(StarkWare)は投票に参加しなかった。

今回の投票は、スタークウェアが10月8日に表明した独立L1への移行構想を受けたものだ。スタークネットは現在、取引を独自に処理する一方、その結果の検証や必要なデータの記録にイーサリアムを利用している。このため、ネットワークの安全性はイーサリアムにも依存している。

独立L1への移行を検討する背景には、量子コンピューターへのセキュリティ対策がある。将来、十分な性能を持つ量子コンピューターが実現すると、ブロックチェーンで使われている一部の暗号技術が破られる恐れがある。スタークウェアは2027年までにスタークネット全体の耐量子化への実現を目指しており、同ネットワークが採用する「STARK証明」などには、量子コンピューターへの耐性を備えた技術的な基盤がある。

一方、スタークネットが独自に暗号技術を更新しても、イーサリアムに依存する機能の耐量子化には、イーサリアム側の対応が必要となる。具体的には、両ネットワーク間で資産や情報をやり取りするブリッジや、取引の検証などに必要なデータを利用できる状態にする「データ可用性」が課題となっている。そのため、公式提案では、独立L1への移行によってイーサリアムへの依存を解消し、スタークネットが独自に耐量子化を進める選択肢が示されている。

今後、スタークウェアと、スタークネットの発展やガバナンスを支援するスタークネット財団(Starknet Foundation)は、独立L1への移行に関する調査を進める予定だ。また、スタークウェア共同創業者兼CEOのイーライ・ベン=サッソン(Eli Ben-Sasson)氏は、11月にホワイトペーパーの草案を公開し、一般からの検証を受けたいとの意向を米暗号資産メディア「ザ・ブロック(The Block)」の取材で示した。実際の移行には、調査結果を踏まえた詳細な提案と追加のガバナンス投票が必要となる。

なお、移行する場合もトークンは引き続きSTRKを使用し、新たなトークンは発行しない方針だ。イーサリアムからスタークネットへのブリッジも維持される予定だ。

 

参考:投票結果・ ザ・ブロック
画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

合わせて読みたい記事

カルダノ「レイオス」、次期ハードフォーク「ダイクストラ」で導入へ。処理能力15倍への拡大目指す

カルダノ(Cardano)の開発を手がけるインプット・アウトプット・グループ(Input Output Group:IOG)が、同ブロックチェーンの新たなコンセンサスプロトコル「ウロボロス・レイオス(Ouroboros Leios)」を次期ハードフォーク「ダイクストラ(Dijkstra)」で導入する計画を10月20日に発表した

【10/22話題】ソラナのAlpenglowがメインネットβで稼働開始、ネイピアラボがロビンフッドチェーンでNapier AMMローンチなど(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored