信用や流動性など6項目を評価
格付け会社S&Pグローバル・レーティング(S&P Global Ratings)が、ブロックチェーン上の融資ボールトを対象とするリスク評価「ボールト・リスク・アセスメント(Vault Risk Assessment:VRA)」の提供開始を10月4日に発表した。
融資ボールトは、利用者から集めたデジタル資産を、一定の運用方針に基づいてブロックチェーン上の融資市場に配分する仕組みだ。利用者は、ボールトの資産や運用収益に対する持分を示すトークンを受け取る。
VRAは、融資ボールトへの投資に損失が生じるリスクについて、将来を見据えた相対的な評価を提供するものだ。投資家がボールト間のリスクを比較し、投資判断やリスク管理に活用することを想定している。
発表によると評価では、運用資産の信用リスクと、資産の流動性と引き出し条件のミスマッチによるリスクを分析するとのこと。さらに、運用方針や資産配分を担う「キュレーター」、ブロックチェーン、融資プロトコル、ボールトのセキュリティとガバナンスに関するリスクを加えた6項目を検討するという。
評価記号には、VRAを示す「v」が付く。例えば「AAA(v)」は、最も低いリスクを示すという。ただし同社は、VRAは信用格付けではなく、利回りの水準を評価するものでもないと説明している。
同社によると、ブロックチェーン上では取引履歴を確認できる一方、ボールトの運用方針やリスクに関する開示は限られており、十分に標準化されていないとのこと。VRAを通じて独立した分析を提供し、機関投資家などによるボールト市場への参加を支援する狙いとのことだ。
S&Pグローバル・レーティングは、個別のボールトに対する初回の評価を今後公表する予定としている。