イーサリアム次期アップグレード「グラムステルダム」、10/6にセポリア導入へ

グラムステルダムは10月6日にセポリア導入へ

イーサリアム財団(Ethereum Foundation)が、イーサリアムの次期ネットワークアップグレード「グラムステルダム(Glamsterdam)」を、公開テストネット「セポリア(Sepolia)」で10月6日に有効化すると9月28日に発表した。

セポリアは、イーサリアムのアップグレードやアプリケーションをメインネットへの導入前に検証するための公開テストネットだ。グラムステルダムは日本時間10月6日22:53にセポリアで有効化される予定となっている。

セポリアのノード運営者は、有効化までに実行レイヤーとコンセンサスレイヤーの両方のクライアントを、グラムステルダムに対応するバージョンへ更新する必要がある。対応するクライアントのバージョンは順次公開されている。

なお、テストネット「フーディ(Hoodi)」とイーサリアムのメインネットでのグラムステルダム有効化日は、現時点では決まっていない。日程はクライアントチームによる決定後に発表される予定だ。

グラムステルダムとは

グラムステルダムは、「フサカ(Fusaka)」に続くイーサリアムのネットワークアップグレードだ。トランザクションやスマートコントラクトの実行を担う実行レイヤーの「アムステルダム(Amsterdam)」と、バリデータによるブロックの合意形成を担うコンセンサスレイヤーの「グロース(Gloas)」を組み合わせたものとなる。

グラムステルダムでは、イーサリアムの基盤となるレイヤー1(L1)の処理能力向上に向け、ブロックの生成や検証方法が変更される。その主要な変更が、「プロトコル組み込み型の提案者・ビルダー分離(enshrined Proposer-Builder Separation:ePBS)」と「ブロックレベル・アクセスリスト(Block-Level Access Lists:BALs)」だ。

このうち「EIP-7732」で導入されるePBSは、トランザクションなどを含む実行ペイロードを構築するビルダーと、バリデータとしてブロックをネットワークに提案する提案者の役割分担を、イーサリアムのコンセンサスプロトコル自体に組み込む仕組みだ。

ePBSでは、提案者が、ビルダーの作成する実行ペイロードへのコミットメントをブロックに含め、その後ビルダーが実際の実行ペイロードを公開する。また、提案者への支払いもプロトコルが処理する。イーサリアム財団は、これにより提案者とビルダーのやり取りで、信頼を必要とするミドルウェアへの依存を減らせると説明している。

さらにePBSでは、コンセンサスの検証と実行処理の検証を分離する。これにより、バリデータが実行ペイロードを検証する時間をより長く確保できるとのことだ。

一方、「EIP-7928」で導入されるBALsは、ブロック内でアクセスされたアカウントやストレージの場所、トランザクション処理後に生じたステートの変更を記録する仕組みだ。ステートとは、アカウント残高やスマートコントラクトに保存されたデータなど、イーサリアムが保持する現在の状態を指す。

BALsの導入により、クライアントは必要なステートの読み込みやトランザクションの検証を並列処理できる。また、処理後のステートを要約する「ステートルート」も、より効率的に計算できるとのことだ。イーサリアム財団は、ePBSとBALsが、ブロック検証を実用的な範囲に保ちながら実行処理能力を拡大するための基盤になるとしている。

ガス計算の変更と開発者への影響

またグラムステルダムでは、リソース使用量をより適切に反映するため、ガスの計算方法も変更される。「EIP-8037」では新たなステートを作成するコストを引き上げ、実行処理に使うガスとは別に計測する。「EIP-8038」ではステートへのアクセスコストを変更する。このほか、トランザクション固有のガスやコールデータ、アクセスリスト、ブロックのガス計算についても変更が行われる。

これに伴い、アプリケーション開発者は新しいルールに基づいてコントラクトやガス見積もりをテストする必要がある。固定のガス割り当てやあらかじめ設定されたガスリミット、処理途中で残るガス量についての前提に依存するコントラクトでは、変更が必要になる可能性があるとのことだ。

このほかグラムステルダムには、ETH送金のログ出力やコントラクトの最大サイズ引き上げ、新たなスタック操作命令などが含まれる。コンセンサスレイヤーでは、スラッシングされたバリデータをブロック提案から除外する変更や、バリデータの退出および統合に関する処理上限の引き上げなども予定されている。

参考:イーサリアム財団
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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