トークン化預金取引への接続と自社設備でのデジタル資産管理を支援
米IBMが、デジタル資産管理基盤「IBMデジタル・アセット・ヘイブン(IBM Digital Asset Haven)」の機能拡充を9月24日に発表した。
今回、国際的な金融メッセージング網を運営するスイフト(SWIFT)のブロックチェーンベースの共有台帳への接続機能をベータ提供する。あわせて、顧客の自社設備で運用できるオンプレミス版のベータプログラムも発表した。
同基盤は、金融機関や政府機関、規制対象企業向けに、デジタル資産の保管や取引管理などを提供するもの。IBMは2025年10月にSaaS型とハイブリッド型を発表していた。
同共有台帳は、銀行預金をブロックチェーン上で扱う「トークン化預金」を利用した国際決済を支える仕組みだ。IBMによると、同基盤を利用する参加金融機関は24時間365日デジタル資産を移転できる。最終的な資金精算は即時グロス決済(RTGS)など既存のシステムを通じて行われる。
IBMは今回、金融メッセージの国際規格「ISO 20022」とブロックチェーン上の取引をつなぐアダプターをベータ提供する。金融機関は同規格のメッセージで、同共有台帳上のトークン化預金取引を指示できる。銀行業務やコンプライアンス、精算の既存プロセスを活用しながら参加できるという。
IBMによると、同共有台帳は世界40超の金融機関と共同で設計され、先行する17機関がトークン化預金の実証を進めている。また、同社はプログラムに参加する金融機関が同基盤を使ったテストに成功したことも明らかにした。
一方、オンプレミス版は、顧客のデータセンター内にある「IBM Z」や「IBM LinuxONE」上で動作する。顧客が管理する「Red Hat OpenShift」環境に導入し、パブリッククラウドに依存せずに、ステーブルコインやトークン化預金の保管・取引管理を検証できるという。
同版では、資産管理と鍵管理の両機能を顧客の環境内に置く。暗号鍵を保護する専用装置「HSM」を利用するほか、IBMのオフライン署名管理製品を通じたコールドストレージ運用も支援する。コールドストレージは、秘密鍵をインターネットから切り離して管理する方法だ。
また、SaaS型やハイブリッド型と共通のAPIや業務フローを採用し、アプリケーションを書き換えずに導入形態を変更できる設計としている。IBMは、オンプレミス版のベータプログラムへのウェイトリストへの登録を受け付けている。