リキッドネットワーク、流出した3400BTCが返還。約598.5BTCは実行者側に

ブロックストリームがブリッジノードへのパッチ適用を通知

ビットコイン(Bitcoin)のレイヤー2ネットワーク「リキッドネットワーク(Liquid Network)」のフェデレーションウォレットから引き出された約3,998.5BTCのうち、3,400BTCが日本時間9月8日、同ウォレットへ返還された。ビットコインのオンチェーンデータから明らかになった。

返還取引は、ビットコインのブロック高965,950で同日1時9分ごろに承認された。3,400BTCは、リキッドフェデレーションのウォレットアドレスへ送られている。

返還された3,400BTCは、本稿執筆時点(9月8日12:46、日本時間)で約2億6,900万ドル(約411億円)相当。引き出された約3,998.5BTCの約85%にあたる。

一方、同取引では約598.4996BTCが、資金を移動した主体のアドレスへ再び送られた。同アドレスには本稿執筆時点で約598.5BTCが残っている。約4,730万ドル(約73億円)相当となる。

返還に先立ち、同主体はビットコイン取引の「OP_RETURN出力」に、資金の「大半」をフェデレーションウォレットへ戻してよいか確認するメッセージを記録した。

その後、同主体はブロックストリーム(Blockstream)に対し、先にバグを修正し、すべてのノードへパッチを適用するよう要求。修正を確認した後に資金を安全に返還すると伝えた。バグに関する技術的な詳細は、ブロックストリームのPGP公開鍵で暗号化されている。

これに対しブロックストリームは、資金を引き出した主体に向けて、署名付きメッセージをオンチェーンで送信した。同社はメッセージで、ブリッジノードへのパッチ適用が完了し、資金を安全に返還できると伝えた。同メッセージの署名は、ブロックストリームが公開するセキュリティ用PGP鍵で検証できる。

なお今回確認した公開メッセージからは、残る約598.5BTCを報奨金として認める合意の有無や、追加返還の予定は確認できない。

リキッドネットワークの公式Xで9月7日、ホワイトハット(善意のハッカー)を名乗る主体により、リキッドフェデレーションのウォレットから約4,000BTCが引き出されたことが発表された。

ビットコインのオンチェーンデータでは、関連する2回の取引で合計約3,998.5BTCが1つのアドレスに送られていた。その後、同アドレスからの取引には、「we are whitehats. contact us on chain(私たちはホワイトハットだ。オンチェーンで連絡してほしい)」とのメッセージが記録された。

リキッドネットワークの発表によると今回のBTCは、サイドスワップ(SideSwap)のPAK(Peg-out Authorization Key)を経由して引き出された。一方、同PAKを含む鍵の侵害はなかったとのこと。なおサイドスワップは、リキッドネットワーク向けにウォレットや資産交換サービスを提供する事業者だ。

またサイドスワップ側からは、今回のペグアウトに使われた「リキッドビットコイン(LBTC)」が、基盤ソフトウェア「エレメンツ(Elements)」のバグによって生成されたと説明されている。同社によると、この事実はブロックストリームが確認したという。ペグアウトは、リキッド上のLBTCをビットコインのメインチェーン上のBTCに戻す手続きだ。

今回のインシデントを受け、ブリッジノードは一時的に無効化され、新たな取引をネットワークへ送信できない状態となった。

その後、ブロックストリームは日本時間9月8日10時ごろ、更新済みのソフトウェアが導入され、フェデレーションのメンバーが連携してネットワーク再開の準備を進めていると公式Xで報告した。本稿執筆時点で確認した同社の発表では、具体的な再開日時は示されていない。

参考:返還トランザクション返還予告ブロックストリームの署名付きメッセージブロックストリーム公開PGP鍵
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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