運営機構は10機関から30機関へ
中国人民銀行が、デジタル人民元(e-CNY)の業務を担う運営機関として、新たに8行を追加した。同行が8月17日に発表した。
今回追加されたのは、平安銀行、恒豊銀行、渤海銀行、上海銀行、杭州銀行、徽商銀行、長沙銀行、広西北部湾銀行の8行。各行はすでに中国人民銀行側のデジタル人民元システムに接続しており、業務・技術面の準備が整い次第、デジタル人民元業務を開始する予定だ。
中国人民銀行は今回の追加について、「十五五:第15次5カ年計画(2026~2030年)」の要綱が掲げる「デジタル人民元を着実に発展させる」という方針を実行し、デジタル人民元サービスの包摂性をさらに高め、安全で利便性が高く、効率的なサービスに対する国民のニーズに応えることが目的だとしている。
新たに加わった8行のうち、平安銀行、恒豊銀行、渤海銀行の3行は株式制商業銀行。上海銀行、杭州銀行、徽商銀行、長沙銀行、広西北部湾銀行の5行は都市商業銀行だ。
これにより、6大国有銀行に加え、中国の全国規模の株式制商業銀行12行すべてがデジタル人民元の運営機関となった。
新規参入した8行は今後、業務および技術面の準備が整い次第、デジタル人民元関連サービスを開始する予定だ。
今回の追加により、デジタル人民元の業務運営機関は、国有大手銀行6行、株式制商業銀行12行、都市商業銀行10行、インターネット銀行2行の計30機関となった。年内の拡大は今回が2回目だ。
中国人民銀行は今年4月2日にも、中信銀行、中国光大銀行、華夏銀行、中国民生銀行、広発銀行、浦発銀行、浙商銀行、寧波銀行、江蘇銀行、北京銀行、南京銀行、蘇州銀行の12行を新たに運営機関へ追加していた。
4月の追加以前、運営機関は中国工商銀行、中国農業銀行、中国銀行、中国建設銀行、交通銀行、中国郵政儲蓄銀行の6大国有銀行に、招商銀行、興業銀行、インターネット銀行の微衆銀行(WeBank)と網商銀行(MYbank)を加えた10機関だった。
そのため、2026年に入り、運営機関は年初の10機関から、4月に22機関、今回30機関へと増え、3倍に拡大した。
中国人民銀行は今後、市場化・法治化の原則に沿って運営機関の拡大を秩序立てて進め、市場参加者の積極性や創造性をさらに引き出すと説明。開放的かつ包摂的で、公平な競争が行われるデジタル人民元の発展環境を整備する方針を示している。
1月5~6日に開催された2026年中国人民銀行工作会議では、2025年の実績として「デジタル人民元管理体系の最適化」を挙げ、2026年の重点業務として「デジタル人民元の着実な発展」を掲げられていた。
中国の金融コンサルティング会社、博通諮詢の金融業界担当チーフアナリスト、王蓬博(ワン・ポンボー)氏は、「証券日報」に対し、今回の拡大について、株式制商業銀行や大手都市商業銀行が持つ地元の顧客基盤やオフラインでの強みを生かし、デジタル人民元の地方市場への浸透や利用シーンの拡大につながると分析。また長期的には、デジタル人民元が試験段階から常態的かつ大規模な利用へ移行することを後押しするとの見方を示した。