開発組織がインフラ準備への懸念示す
プライバシーコイン「ジーキャッシュ(Zcash)」関連開発組織のシールデッド・ラボ(Shielded Labs)が、7月下旬に予定しているネットワークアップグレード「アイアンウッド(Ironwood)」について、有効化時期を延期する選択肢も検討に値するとの見解をZcashコミュニティフォーラム上で7月2日に示した。
6月6日に公表されたアイアンウッドは、シールドプール「オーチャード(Orchard)」で発覚したZECの偽造を可能にし得る重大な脆弱性を受け、ZECの流通供給量の検証可能性を回復することを目的とした提案だが、取引所やマイニングプール、ウォレット事業者などエコシステム参加者の準備期間を十分に確保できない可能性があることが理由として挙げられている。
シールデッド・ラボのエグゼクティブディレクターであるジェイソン・マクジー(Jason McGee)氏はZcashコミュニティフォーラムへの投稿で、現在はアイアンウッドの実装と並行して、長年利用されてきたノード・ウォレットソフトウェア「zcashd」から、新たな「Z3」スタック(Zebra、Zaino、Zallet)への移行も同時に進められていると説明。アイアンウッドとZ3移行という2つの大きな作業を7月下旬までに完了させる現在のスケジュールは難しいとのフィードバックを受けていると述べた。
マクジー氏は、アイアンウッドによってZcashの供給量に対する信頼を早期に回復することは重要である一方、エコシステム全体が十分な準備を整えないままアップグレードを実施すれば、新たな運用リスクを招く可能性もあると説明。延期のほか、追加期間を利用した第三者セキュリティ監査の実施や、Z3移行とアイアンウッドを切り離して一時的にアイアンウッド対応のzcashdを提供する案などを、導入リスクを下げる選択肢として挙げている。なお、延期は現時点で決定していない。
参考:コミュニティフォーラム
画像:PIXTA