中国、越境デジタル人民元決済網を拡大、26金融機関が新プラットフォーム参加=報道

中国が越境デジタル人民元決済網を拡大

中国が、越境デジタル人民元(e-CNY)決済プラットフォームに国内外の金融機関26社を参加させたと、香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post:SCMP)」が6月17日に報じた。

報道によると、参加機関は中国人民銀行(PBOC)が管理する「クロスボーダーe-CNYトランスファー・サービス(Cross-border e-CNY Transfer Services:CBETS)」に直接参加者として加わるという。

CBETSは、外国の中央銀行や海外金融機関との24時間体制のデジタル決済接続を支援するプラットフォームだ。参加機関は越境デジタル人民元ネットワークへ直接アクセスできるようになり、従来の仲介チャネルへの依存を減らせるとのこと。また、報道ではブラジル、カタール、タイなどで事業を展開する銀行がすでに参加している伝えられている。

報道によると、中国人民銀行は2025年9月、デジタル人民元国際運営センターを設立した。同センターは既存の複数のサービスモジュールを統合し、CBETSを構築したという。

SCMPは今回の取り組みについて、中国が人民元の国際利用を拡大し、米ドルを基盤とする金融システムへの依存を低減する動きの一環だと伝えている。

中国は2015年、人民元の国際銀行間決済システム「CIPS(Cross-Border Interbank Payment System)」を立ち上げている。CIPSは国際銀行間通信協会「スウィフト(SWIFT)」など既存の国際決済インフラへの依存低減を目指す文脈で整備されてきた人民元決済システムとして位置付けられており、中国は近年、その利用拡大を進めている。

今回のCBETSは、従来型の銀行間決済を担うCIPSと並行して運用されると。SCMPによると、CBETSは中国のデジタル通貨インフラを活用し、デジタル人民元による越境決済を提供する役割を担うとのことだ。

なお、中国は近年デジタル人民元を活用した国際決済インフラの整備を進めている。

中国人民銀行は、香港金融管理局(HKMA)、タイ銀行、アラブ首長国連邦中央銀行などと共同で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を活用した越境決済プロジェクト「エムブリッジ(mBridge)」にも参加している。

また、中国人民銀行の潘功勝(Pan Gongsheng)総裁は2025年6月18日、上海で開催された金融会議「陸家嘴フォーラム」において、デジタル人民元国際運営センターの設立を発表していた。

デジタル人民元については、外部分析で世界最大規模の実運用CBDC実験と位置付けられている。一方で、海外での普及にはなお課題もあるとされるなか、中国は国内外でデジタル人民元の利用拡大を進めている。

参考:SCMP
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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