米FDIC、GENIUS法に基づくステーブルコイン規制の提案規則を承認

ステーブルコインの法的規制整備進む

米連邦預金保険公社(FDIC)が、「ジーニアス法(GENIUS ACT)」に基づくペイメントステーブルコイン向け包括規制の提案規則(Notice of Proposed Rulemaking)を取締役会で承認したと4月7日に発表した。

今回の提案規則は、FDICが監督する「許可済みペイメントステーブルコイン発行者(PPSI: Permitted Payment Stablecoin Issuers)」を主な対象とする。

準備資産については、発行済みステーブルコインを裏付ける準備資産の構成・管理・評価基準が定められる。自己資本・流動性・リスク管理については、ジーニアス法第4条に基づきFDICおよびその他の主要規制当局が策定を求められていた健全性基準が初めて明文化される。償還対応については、24時間以内に発行残高の10%超の償還請求が集中した場合を「重大な償還請求(significant redemption request)」と定義し、対応義務を課す。なお、10%という閾値や24時間という時間枠が適切かどうかについては、パブリックコメントで意見を募る。さらに、FDICが監督するPPSIおよび預金保険付き預金機関(IDI)がステーブルコイン関連のカストディ・保管サービスを提供する際の要件も定められる。

提案規則のもう一つの柱が、預金保険の適用範囲に関する整理だ。

ステーブルコインの準備資産としてIDIに預け入れられた預金については、PPSI(発行体)に対して法人預金として保険が適用される一方、ステーブルコイン保有者個人へのパススルー(直接適用)は認められないことが明確にされる。また、「トークン化預金(tokenized deposit)」については、連邦預金保険法(FDI Act)上の「預金」の定義を満たす限り、通常の預金と同等に扱われることが明記される。分散型台帳技術(DLT)を用いて記録されたトークン化預金はペイメントステーブルコインには該当しないという分類上の整理も行われる。

FDICは今回の提案規則の策定にあたり、2026年3月2日に通貨監督庁(OCC)が連邦官報に公表した実施規則案との整合を意識していることも明かしている。OCCはナショナルバンクの子会社や連邦認定の非銀行ステーブルコイン発行者も管轄するため規制範囲はより広いが、FDICは「最終規則における規制の一貫性を確保するため、可能な限りOCC案に合わせた」としている。

ジーニアス法は、主要規制当局による最終規則公布から120日後、または2027年1月18日のいずれか早い時点で発効される予定だ。

FDICによるジーニアス法関連の規則制定は今回で2件目となる。1件目は2025年12月19日に公表され、IDIが子会社を通じてステーブルコインを発行する際の申請手続きを定めたものだった。今回の提案規則が確定することで、ジーニアス法が求める規制要件の大枠が揃う形となる。

FDICは、連邦官報掲載後60日間パブリックコメントを受け付ける予定だ。

参考:発表 
画像:iStocks/JHVEPhoto

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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