香港SFC、デジタル資産取引の流動性強化へ。マージン融資容認とパーペチュアル契約指針を公表

活性化へ新施策

香港の証券先物委員会(SFC)が、同地区のデジタル資産市場の活性化を目的とした新たな規制指針を2月11日に公表した。認可ブローカーによる暗号資産(仮想資産:VA)のマージン・ファイナンス(証拠金取引向け融資)の提供を認めるほか、暗号資産取引プラットフォーム(VATP)に対し、プロ投資家向けレバレッジ商品の開発に向けた高レベルの枠組みを初めて示した。

今回の措置は、SFCが2025年2月に公表した「ASPIReロードマップ」に基づく施策の一環。商品・サービスの多様化を通じ、市場流動性の向上を図る狙いだ。

SFCは、暗号資産のディーリングサービスを提供する認可ブローカー(VAブローカー)に対し、一定条件のもとで証券信用取引顧客向けにVA関連の融資を提供することを認めた。

担保の十分性や投資家保護措置の確保を前提とし、信用力や担保余力の高い顧客がより積極的に暗号資産取引へ参加できるようにする。リスク管理を維持しつつ、香港市場の流動性向上を図る方針だ。

またSFCは認可VATPに対し、レバレッジ型商品であるパーペチュアル契約(無期限先物)をプロ投資家限定で提供するための高レベルな規制フレームワークを初めて提示した。

同枠組みでは、透明性の高い商品設計や、明確な情報開示、強固なオペレーション管理体制など、投資家保護を確保するための要件が示されている。これにより、プラットフォームのリスク管理高度化と、原資産となる現物市場の流動性深化を目指す。

さらに、認可VATPの関連会社が当該プラットフォーム上でマーケットメイカーとして活動することも条件付きで認められた。利益相反を防止するための厳格なセーフガードを設けることが前提となる。

これにより、プラットフォームは追加的な流動性供給チャネルを確保できる見込みだ。

SFCのエグゼクティブ・ディレクターであるエリック・イップ(Eric Yip)氏は、「ASPIReロードマップに基づく段階的な発展アプローチは、香港のデジタル資産市場を拡大する上で不可欠だ。今回の流動性向上施策は、持続可能かつ協調的な市場発展へのコミットメントを示すものだ」とコメントしている。

SFCは今後も実施状況を継続的にモニタリングし、市場関係者と連携しながら、安全で競争力のあるデジタル資産市場の構築を進める方針だ。

「ASPIReロードマップ」では、ステーキングを含む商品・サービス拡充などが打ち出されている。

また2025年8月にはSFCが、VATPにおける顧客VAのカストディ実務(保管・管理)について、期待される基準を詳述した文書を公表した。

同文書では、経営陣の責任、顧客資産のコールドウォレットのインフラと運用、第三者ウォレットソリューションの利用、リアルタイムの脅威監視などを含む、最低限遵守すべき基準を示している。

参考:発表
画像:iStock/Alex-Sholom

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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