JPモルガン、初のトークン化MMF「MONY」をイーサリアム上で提供開始

JPモルガンがMMFをトークン化

米金融大手JPモルガンの資産運用部門であるJPモルガン・アセット・マネジメント(J.P. Morgan Asset Management)が、同社初となるトークン化マネー・マーケット・ファンド「マイ・オンチェーン・ネット・イールド・ファンド(My OnChain Net Yield Fund:MONY)」の提供開始を12月15日に発表した。

MONYは、パブリックブロックチェーンであるイーサリアム(Ethereum)上で提供される私募ファンドで、同社のマルチチェーン対応資産トークン化基盤「キネクシス・デジタル・アセッツ(Kinexys Digital Assets)」を用いて実装されている。またMONYは506(c)の私募ファンドと説明されている。

同ファンドは、JPモルガン・アセット・マネジメントが提供する機関投資家向け流動性管理プラットフォーム「モーガン・マネー(Morgan Money)」を通じてのみ提供され、適格投資家がオンチェーン上の資産へアクセスできる仕組みとなっている。投資家はブロックチェーン上の自身のアドレスでトークンを受け取るという。

また、同ファンドは米国債および米国債で完全に担保されたレポ取引にのみ投資する。これにより、投資家はブロックチェーン上でトークンを保有しながら、米ドル建ての利回りを得ることが可能になるという。投資家には日次の配当再投資が行われるほか、モーガン・マネーを通じて現金またはステーブルコインでの購入および償還が可能になるという。 JPモルガン・アセット・マネジメントは、トークン化によって透明性の向上や、ピアツーピアでの移転可能性が高まる点に加え、ブロックチェーン・エコシステムにおける担保利用の拡大につながる可能性があるとしている。

なおJPモルガンは直近、パブリックチェーンやトークン化を活用した取り組みを相次いで発表している。例えば今月11日には、ギャラクシー・デジタル・ホールディングス(Galaxy Digital Holdings)が発行する米国コマーシャルペーパー(USCP)の発行を、ソラナ(Solana)ブロックチェーン上で手配したと発表した。この取引では、購入者としてコインベース(Coinbase)とフランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)が報じられており、発行・償還は「USDC」で行われるとのこと。

また11月には、機関投資家向けの米ドル建て預金トークン「JPMコイン(J.P. Morgan Deposit Token)」を、コインベース(Coinbase)が開発・運営するイーサリアムレイヤー2ネットワークのベース(Base)上で提供開始したと発表した。

さらに同月、シンガポールの大手銀行DBSと、JPモルガン傘下のデジタル資産プラットフォーム「キネクシス(Kinexys)」が、トークン化預金の相互送金を可能にするフレームワークの開発に向けて協業すると発表している。

参考:JPモルガン
画像:PIXTA

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