ハッシュキー、香港でのIPO審査通過を発表。収益拡大を背景に上場手続き進行

ハッシュキーが上場審査を通過

香港で暗号資産(仮想通貨)取引所を提供するハッシュキー(HashKey)が、香港証券取引所(HKEX)への新規株式公開(IPO)に向けた上場審査を通過したと12月1日に発表した。これにより、同社は上場手続きの次段階である目論見書の登録や投資家向けマーケティングへ進む見込みだ。

ハッシュキーは、香港の規制に基づいて運営される暗号資産取引所で、2023年の制度開始以降、同地域で取得が難しいとされる「仮想資産取引プラットフォーム」のライセンス(VATP)を保有する事業者として知られる。同社のプラットフォーム全体では9月30日時点で合計80銘柄以上の暗号資産が取引可能となっており、個人投資家および機関投資家向けにサービスを提供している。

今回の上場審査通過は、規制下で運営される暗号資産取引所が資本市場へアクセスする事例として注目されている。ハッシュキーによれば、IPOで調達した資金は、技術基盤の強化、製品開発、セキュリティ体制の向上、市場拡大、そして一般的な企業運営費用に充てる予定だという。一方で、IPOの規模や実施時期については現時点で明らかにされていない。

提出書類によれば、同社は2022年以降事業開発やシステム整備の先行投資が続いたことで赤字計上が継続している。2025年上半期(6月30日まで)の純損失は5億670万香港ドル(約101億1,527万円)で、前年同期の7億7,260万香港ドル(約154億2,581万円)からは縮小したが依然として収益改善が課題となっている。

なお取引所事業の収益は2023年以降に拡大し、2024年には手数料収入の大幅な増加が確認されている。

香港では、同じくSFCのライセンスを保有するOSLがすでに上場企業となっており、ハッシュキーがIPOを実施した場合、同地域でSFCライセンスの暗号資産取引所運営主体として2社目となる見込みだ。規制下の取引所が資本市場へのアクセスを広げることで、同地域の暗号資産市場の成熟度がさらに高まる可能性がある。

参考:ハッシュキー
画像:iStocks/Funtap

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