リキッドステーキングプロトコル「Lido」が「Lido v3」展開へ

Lidoが「Lido v3」を発表

リキッドステーキングプロトコルのライド(Lido)による、「ライド v3(Lido v3)」が2月11日に発表された。この「ライド v3」は、イーサリアム(Ethereum)のステーキングの柔軟性を高めるモジュラー型スマートコントラクト「ステーキング・ヴォールト(stVaults)」を導入した新プロトコル。同プロトコルの展開は今後3段階で行われるが、具体的な時期については現時点では明らかになっていない。

「ライド v3」の技術基盤となる「ステーキング・ヴォールト」は、ライドの既存のコアプロトコルのセキュリティや分散化、流動性の利点を活用・強化しながら、幅広い製品ラインをサポートできるのに加え、非カストディ型で機能するとのこと。これにより、ユーザーはETHをステーキングする際にバリデーションの設定、手数料構造、リスク・リワードのプロファイルを自由にカスタマイズできるという。

また「ライド v3」ではスラッシングリスクを軽減するために、準備金率(RR)の概念が導入されているとのこと。「ステーキング・ヴォールト」は、提供されたETHの量に対して「Lido Staked ETH(stETH)」をミントし、「ステーキング・ヴォールト」のRRによって定義された最小量のミントを保証するという。これにより、「ステーキング・ヴォールト」を通じてミントされたstETHは、過剰担保された状態を維持するとのこと。この過剰担保により、スラッシング等のリスクを軽減し、stETHの経済的安全性を強化できるという。さらにプロトコルレベルでパブリックノードオペレーターの評判と債券要件を動的に調整できるため、ネットワークの安定性が確保され、高度な統合がサポートされるとのこと。

「ライド v3」により、ステーカーはニーズに合わせてイーサリアムのステーキング戦略を調整し、優先順位に基づいて報酬を最適化することが可能になり、stETHの流動性やセキュリティ、統合を活用できるとのこと。

また機関投資家は社内のコンプライアンス要件を満たすために、セットアップをカスタマイズした専用のヴォールトを作成できるという。ノードオペレーターは、ユーザー向けにパーソナライズされたステーキング製品を設計できるとのこと。さらに、資産管理者はstETHをイーサリアムのエコシステム内の主要な担保として活用し、構造化製品を開発できるとのことだ。

「ライド v3」は早期利用者によるテスト、テストネット、メインネットと段階的に展開されるという。

なお「ライド v3」の設計・運用については、ライドのコミュニティとの議論を進めながら開発が進められており、提案はスナップショット投票にかけられ、ライドのガバナンストークン「Lido DAO(LDO)」所有者によるオンチェーン投票を経て正式導入される予定であるとのこと。

なおリキッドステーキングとは暗号資産(仮想通貨)をステーキングしながら、その資産の流動性を維持する仕組みで、通常のステーキングでは一定期間資産がロックされるが、リキッドステーキングを利用すると、ステーキング資産に対応するリキッドトークンを受け取ることができ、それをDeFi(分散型金融)で運用・取引できる。ライドでETHをステーキングすると、リキッドトークンのstETHが発行される。

参考:Lidoブログ
画像:istocks/Vjom

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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