テザーが欧州ステーブルコイン事業者「StablR」に投資、MiCA施行に向け

Tether社がStablRに投資

USDTなどのステーブルコイン発行企業テザー(Tether)社が、欧州のステーブルコイン事業者「ステーブルR(StablR)」に投資したと12月17日発表した。なお投資額は公表されていない。

テザー社による今回の投資は、12月30日にEU(欧州連合)で全面施行される暗号資産の規制枠組み「暗号資産市場規制法(MiCA)」を見据えたもので、欧州市場における規制に準拠したステーブルコインの普及を促進する狙いがあるとのこと。「MiCA」規制の導入により、取引所やステーブルコイン発行者には、EU全域で厳格なコンプライアンス基準の遵守が求められることになる。

そのため「ステーブルR」は今年7月に、「MiCA」準拠のステーブルコインに対応するマルタ金融サービス局(Malta Financial Services Authority)承認の電子マネー機関(EMI)ライセンスを取得している。

発表によると、欧州のステーブルコイン市場は成長し続けており、ユーロペッグのステーブルコインの時価総額は現在約4億ドル(約614億円)に達しているとのこと。

そして今回の投資は、欧州で複数のステーブルコインが立ち上げられている状況を背景に行われたとのこと。これにより、「ステーブルR」が提供するユーロ(EUR)ステーブルコイン「EURR」および米ドル(USD)ステーブルコイン「USDR」を通じて、流動性管理の改善や取引コストの削減といったユーザーにとっての節約が期待されるという。なお、「EURR」と「USDR」は、それぞれERC-20トークンとして発行されており、ソラナ(Solana)との互換性も備えているとのこと。

また、「ステーブルR」はテザー社の実物資産(RWA)トークン化プラットフォーム「ハドロン・バイ・テザー(Hadron by Tether)」を活用するとしている。「ステーブルR」は同プラットフォームを活用して、「EURR」と「USDR」をより多くのネットワークに展開していく予定とのこと。

「ハドロン・バイ・テザー」は、テザー社が今年11月に提供開始した株式や債券、ポイントなど幅広い資産のトークン化を簡単にするプラットフォーム。同プラットフォームにはKYC(顧客確認)やAML(マネーロンダリング防止)、リスク管理、ブロックチェーンの監視、中央集権型取引所のモニタリングなど、包括的なコンプライアンスツールも搭載されている。

なお、テザー社は今年11月、「MiCA」の導入と市場の需要減少を受けて、「ユーロテザー(Euro Tether:EURT)」のサポート終了を発表。一方で、同社は「ハドロン・バイ・テザー」を活用したオランダ拠点のフィンテック企業「クアントズ・ペイメンツ(Quantoz Payments)」が発行する、「MiCA」準拠のユーロステーブルコイン「EURQ」および米ドルステーブルコイン「USDQ」などの新規事業のサポートに注力するとしていた。

参考:テザー
画像:iStock/jauhari1

関連ニュース

この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

合わせて読みたい記事

欧州委員会、暗号資産の税情報交換ルール巡り12加盟国に是正要求

欧州委員会(EC)は、暗号資産に関する新たな税の透明性および情報交換ルールを完全に実施していないとして、ベルギー、ブルガリア、チェコ、エストニア、ギリシャ、スペイン、キプロス、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガルの12加盟国に対し、正式通告書を送付したと1月30日に発表した

【1/30話題】SBI VCトレードがビットポイント吸収合併へ、米CFTCがイベント契約の新規制を策定へなど(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

イーサリアム開発者、後続アップグレードのHegotaで「FOCIL」提案、スケーリング下でも検閲耐性維持へ

イーサリアム(Ethereum)の次期プロトコルアップデート「グラムステルダム(Glamsterdam)」に続く「ヘゴタ(Hegotá)」に向け、「フォーク・チョイス・エンフォースド・インクルージョン・リスト(Fork Choice–enforced Inclusion Lists:FOCIL)」ヘッドライナー候補(CFI)として推す提案が、1月27日に開発者フォーラムEthereum Magiciansで共有された。FOCILは「EIP-7805」として仕様が提示されている