Samourai Walletの創設者らがマネーロンダリングの容疑などで逮捕

1億ドル以上の資金洗浄行ったか

米連邦検察当局が、サムライ・ウォレット(Samourai Wallet)の創設者兼CEO及びCTOをマネーロンダリングおよび無許可の送金業務を行うため共謀したとして起訴した。米司法省(DOJ)のウェブサイトにて4月24日発表された。

起訴されたのはサムライ・ウォレットのCEOキオンヌ・ロドリゲス(Keonne Rodriguez)氏と、CTOのウィリアム・ロナーガン・ヒル(William Lonergan Hill)氏だ。

発表によれば、両名は2015年頃から2024年2月まで「暗号資産ミキシングサービス」であるサムライ・ウォレットの開発、マーケティング、運営などに関与した容疑で起訴されている。両名は同サービスから数百万ドルの手数料を得ていたという。

ミキシングとは、暗号資産の取引データを組み合わせることで、利用者のプライバシーや匿名性を維持するために活用される技術だ。

サムライ・ウォレットでは20億ドル以上の違法取引が実行され、シルクロード(Silk Road)やヒドラマーケット(Hydra Market)などの違法なダークウェブ市場からの1億ドル以上のマネーロンダリング取引を促進したという。両名はサムライ・ウォレットを「プライバシー」サービスとして提供しながらもその実態を知っていたと当局は指摘している。

ロドリゲス氏は米国で、ヒル氏はポルトガルで24日朝に逮捕されたとのこと。ヒル氏の身柄は米国へ引き渡される予定で、米国で裁かれることになる。両者はそれぞれ、最高刑が懲役20年になるマネーロンダリング共謀罪1件と、最高刑が懲役5年になる無許可送金事業運営共謀罪1件で起訴されている。

またサムライ・ウォレットのウェブサーバーとドメインも押収され、モバイル・アプリケーションに対する押収令状も送達されたため、同アプリケーションは米国のグーグルプレイストアからダウンロード不可となっているという。

ちなみにこのモバイル・アプリケーションは、10万回以上ダウンロードされているという。

さらにサムライ・ウォレットのX公式アカウントは、ウォレットを通じて「収益を洗浄」するようユーザーを「奨励」していた、と当局は主張している。

暗号資産(仮想通貨)ミキサー「トルネードキャッシュ(Tornado Cash)」が2022年8月に米国で制裁対象に加えられた。

DOJと米財務省外国資産管理局(OFAC)は昨年8月、トルネードキャッシュの共同創設者2名を起訴している。

なお3人目の共同創設者兼トルネードキャッシュ開発者のアレクセイ・ペルツェフ(Alexey Pertsev)氏はオランダで裁判にかけられており、判決は5月に出される予定だ。

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参考:DOJ
images:iStocks/BrianAJackson

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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