マネックスグループがESG金融事業開始を発表(マネックス証券取締役副社長の萬代克樹氏インタビュー掲載)

マネックスグループがESG金融事業開始を発表

マネックスグループ株式会社がグループ会社のマネックス証券においてサステナブルファイナンス部を設立し、ESG金融事業を開始することを1月22日に発表した

ESG金融とは「企業分析・評価を行ううえで長期的な視点を重視し、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)情報を考慮した投融資行動をとることを求める取り組みである」と日本銀行は定義している。

またマネックスグループは2021年3月をめどに環境インパクトファンドの設立を予定していて、マネックスグループを挙げてESG活動に取り組んでいく方針だ。

リリースでは「グループのこれまでの強みであった個人投資家層向けのESG金融促進はもちろんのこと、ESG金融においては機関投資家の果たす役割も大きいことから、ESG金融事業の開始に当たっては機関投資家にまで対象を拡げ事業を推進して参ります」と記載されている。

マネックスグループのESG金融事業の概要として「1.マネックス ・クライメイト・インパクトファンド、2.マネックス eGreenフィンテック(デジタルESGイノベーション、3.サステナブルファインアンス商品提供」の3つを説明している。

マネックス eGreenフィンテックでは、ブロックチェーン、AI、その他最先端技術などの進歩を活用して、サステナブルファイナンスを着実に実行する上で欠かせないポートフォリオ資産による環境へのインパクトに関する透明性や信頼性の高いレポーティングを実現するとのこと。

(追記:16時35分)

マネックス証券取締役副社長営業本部長の萬代克樹氏へ取材

あたらしい経済編集部は、マネックス証券取締役副社長の萬代克樹氏へ取材を行った。

―eGreenフィンテックのどのような部分にブロックチェーン技術を活用しようと考えていますか。具体的に教えてくださいませ。

萬代克樹(以下:萬代)投資の本来の意図である環境へのインパクトを投資期間中図ることができ、ファンド運用そのもののレポーティングも同時に確認できる。

ESG投資の課題は、投資をしたが、本当に環境の役に立ったか分かりにくいことである。実際CO2削減されたのか可視化されていない。

当社のESG金融事業の中では、例えば風力発電機にセンサーをつけて、きちんとリアルタイムにレポーティングする仕組みを整え、報告体制を飛躍的に改善して、機関投資家から見ても、投資がESGに役に立っていることを見える化させる。

その情報をブロックチェーンに乗せて改ざんできない方法でデータ提供したい。

ーまた企業のESG活動を促進するために、 ブロックチェーン技術はどのような役割を果たしていくとお考えでしょうか。

萬代:ESG投資に使われたお金が本来的なインパクトを生んでいることを透明性をもって、また改ざんされない形で投資家にレポートすることができる。

こうすることで投資家はより正確な環境へのインパクトを測定することができ、より環境への貢献インパクトがある金融商品等に投資することができるようになる、という好循環を生んでいくことになると考えている。

編集部のコメント

ヨーロッパでは、ブロックチェーンを活用した投資ファンドのための報告ツール「TURN」が欧州全域で12月に稼働し始めています

イギリスでは資産運用企業の60%がTURNの利用を開始しているようで、利用が明らかになっている利用企業はAllfunds、Calastone、Deutsche Bank、Fidelity International、Link Group、MFEX、KNEIP、Transact Deutsche Wealth Services、FNZ、Fund Connectです。

(images;iStocks/artsstock・Rawpixel)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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