SEC委員長と通貨会計監督官代理が株式のデジタルトークン化の未来について言及

SEC委員長と通貨会計監督官代理が株式のデジタルトークン化の未来について言及

米国証券取引委員会(SEC)のジェイ・クレイトン(Jay Clayton)委員長とブライアン・ブルックス通貨会計監督官代理が、デジタル商工会議所主催のウェビナーで、株式のデジタルトークン化に関する持論をレジャーインサイツ(Ledgerinsights)が10月2日に伝えた。

ウェビナーのタイトルは「アメリカのコインの二面性」。ジェイ・クレイトン氏が登壇したセッションは「効率的な市場のアクセス性、透明性、説明責任、安全性への依存:Efficient markets depend on accessibility、transparency、accountability、and security」でブライアン・ブルックス氏は「分断された相反する規制体制によるイノベーションの弱体化について:Fragmented and conflicting regulatory regimes undermine innovation」である。

ジェイ・クレイトン氏は「技術は変わるかもしれないが、特定の活動の規制の根底にある原則は変わらないでしょう」と話した。

またジェイ・クレイトン氏は「20年前に比べて、現在はすべての株式取引が電子化されています。過去には株券がありましたが、今はデジタルな株券があります。それらがすべてトークン化されることは、かなり有り得ることかもしれません」と発言している。

ブライアン・ブルックス氏は中央集権的なシステムの欠陥について言及していて「中央集権モデルは単一の障害点を生み出しました。銀行が破綻すれば、本当に悪いことが起こります。私たちは金融危機でそれを見ました。リーマン・ブラザーズの一件だけで、私たちが知っているような世界の終焉が起こりました。銀行のデータセンターがハッキングで破壊された場合も同じです。その銀行は何日も利用できなくなり、市場は混乱に陥ります」と発言している。

さらにブルックス氏はネットワークにおけるデジタルトークンの役割について言及した。ブルック氏は「ブロックチェーンネットワークはそのようには動作しません。デジタルトークンは、基本的にはネットワークを動かす資産であると考えられています。人々がネットワークに接続するためのインセンティブを与えるものであり、インターネットのようなネットワークの機能性が時間の経過とともに非常に安定し、回復力を持つようになります。ですから、私たちはこれを投資資産の問題というよりも、インフラの問題だと考えています」とコメントしている。

編集部のコメント

ウェビナーではブロックチェーン領域のペイメントの進化として暗号資産、ステーブルコイン、CBDCへと変化していくと伝えています。また企業の資本形成や取引はICO、STO、Tokenized ETFsへと移り変わっていくと言及されています。ブロックチェーン技術の進化によって、顧客や企業は新しい市場へのアクセスのしやすさの向上、海外展開の容易さ、効率性の向上などが起こると考えられています。ウェビナーURLは「https://youtu.be/h3eKQRT7hbk」です。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:iStock/vitacopS・Kateryna-Bereziuk・Rawpixel)

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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