米SECのクリプトマムことへスター・パース氏がDeFi規制の今後の展望を語る

米SECのクリプトマムことへスター・パース氏がDeFi規制の今後の展望を語る

米国証券取引委員会(SEC)のコミッショナーであり「Crypto Mom(クリプトマム)」として知られるHester Peirce(へスター・パース)氏が米国におけるDeFi(Decentralized Finance:分散型金融)規制に関する今後の展望について、米ブロックチェーンメディアDecryptoのインタビューに対し語った。

Peirce氏は「DeFiの規制がSECの議論の的になるだろう」と今後のSECの動向について述べたとのこと。

DeFiはこれまでの金融システムと違い、システムの管理者や取引の仲介者が存在しない。Peirce氏によると、SECはこれまで管理者や仲介者を規制することで金融システム自体の規制を図ってきたため、DeFiへの規制はSECにとって大きなチャレンジとなるとのことだ。

またDecryptoによるとPeirce氏は「Crypto Mom」の愛称とは裏腹に「規制当局としての私の見解は、規制当局は(DeFiに対して)母性的であるべきではないと考えています」と述べたとのこと。

Peirce氏は規制当局がクリプト分野に関してこれまで良い規制をしてきていないと考えており、同氏がSECコミッショナーとして2期目を務める今後の5年間は「米国人にとって規制されたクリプト市場へのアクセスが容易かつ、クリプト企業にとって資金調達が容易な規制の制定」を目指していくとのことだ。

健全な規制の確立の一環として、Peirce氏はクリプト企業にとってのセーフハーバーを作るという提案を進めている。これはクリプト企業に彼らの権力をコミュニティに譲渡するための期間を3年間与え、その間SECは規制のアクションを取らないというものである。しかしPeirce氏によるとこの案を成立させるのは非常に難しいとのことだ。

編集部のコメント

セーフハーバーとは、あらかじめ定められたルールのもとで行動する限り違法とみなされない範囲のことを指します。規制当局がセーフハーバーを設定することにより、企業は法律や規制にとらわれずに革新的な事業の創出に専念することができます。

コメント:小俣淳平(あたらしい経済)

(images:iStock/artsstock・Elen11)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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