米Ribbit Capital(リビットキャピタル)が新会社設立によるIPOを通じて3億5,000万ドルの資金調達を計画

米Ribbit Capital(リビットキャピタル)が新会社設立によるIPOを通じて3億5,000万ドルの資金調達を計画

アメリカのRibbit Capital(リビットキャピタル)が3億5,000万ドル(約372億円)の資金調達を計画していることが、米証券取引委員会(SEC)に提出された目論見書によって8月25日明らかになった

Ribbit Capitalは米暗号資産(仮想通貨)取引所Coinbase(コインベース)やブロックチェーン分析ソリューション提供の米Chainalysis(チェイナリシス)など、暗号資産やブロックチェーンはじめとしたフィンテック新興企業に投資を行うベンチャーキャピタル。(Ribbit Capital投資企業一覧

Ribbit Capitalは新会社Ribbit LEAPを設立し、同社のIPOを通じて資金を調達するとのことだ。新会社であるRibbit LEAPがSECにIPOの目論見書を提出している。

その目論見書によると、今回のIPOの管理を担当するブックランナーはJPモルガン・チェースとのことだ。

また目論見書にはRibbit LEAPは買収資金の調達だけを目的とする「特別買収目的会社(SPAC:Special Purpose Acquisition Company)」であるとの記載がある。なおSPACは買収先を決めずに先に上場する仕組みのため、同社が買収する予定の企業はまだ決まっていないようだ。

従来の株式公開企業は大規模な買収を行う際に株主の承認を必要とするが、このSPACは買収を行うための広い自由度を求めており、目論見書には「株主の承認なしに買収先を決定することができる」という旨の注意書きが記載されている。

編集部のコメント

特別買収目的会社(SPAC)とは有望な未公開企業を探して買収することだけを投資家に約束し、資金調達をする企業形態です。IPOの際にどの会社を買収するか不明のため、「ブランク・チェック・カンパニー(白紙委任の会社)」とも呼ばれます。

2019年にSPACとして上場した、米ダイヤモンドピーク・ホールディングスが新興EVメーカーのローズタウン・モーターと先日8月3日に統合したことを日経新聞が報じています。

なおダイヤモンドピークは2019年の上場当初は不動産関連会社の買収を目指すとしていたそうです。また合併後にはダイヤモンドピークの社名はローズタウンとなる見通しとのことです。

ローズタウンはゼネラル・モーターズ(GM)から2019年に工場施設を取得し14億ドル(約1500億円)規模の先行受注しているものの、生産開始が2021年、出荷は2022年となる予定とのことです。SPACでは、このような販売実績がない企業でもSPACと統合することで上場しやすく、上場のコストや時間を削減できるメリットがあるということです。 ちなみにダイヤモンドピーク株は8月3日に21%高と急騰してるとのことです。

以上の事からRibbit Capitalは今後Ribbit LEAPのIPOによって調達した資金で、買収先を選定していく流れになると思われます。

コメント:大津賀新也あたらしい経済)

(images:iStock/nisaul-khoiriyah)

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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