TORICO、ETH建てヘッジファンドに約7900万円出資へ、外部運用の第2号案件

保有ETHを現物出資、12月に投資実行予定

東証グロース上場のトリコ(TORICO)が、暗号資産(仮想通貨)「イーサリアム(ETH)」建てヘッジファンド「エッジDeFiオフショアファンド(Edge DeFi Offshore Fund, Ltd.)」への出資を決議したと10月21日に発表した。

出資額は50万米ドル相当のETH。同社の開示上の日本円換算額は7,900万円となる。同社が保有するETHを現物出資する。契約締結と投資実行はともに2026年12月中が予定されており、発表時点では投資実行は完了していない。実行時期や条件は変更となる可能性がある。

今回の出資は、トリコが推進するデジタルアセット・トレジャリー(DAT)戦略における外部運用の第2号案件だ。同社は、保有する暗号資産を収益獲得のための事業用資産として活用する「稼ぐトレジャリー」戦略を掲げている。これまでにETHのステーキング運用や、プットオプションの売却を通じた取得コストの抑制などに同社は取り組んできた。

出資先のファンドはケイマン諸島で組成されている。運用会社は、英領ヴァージン諸島のエッジ・キャピタル・インベストメント・マネジメント(Edge Capital Investment Management Ltd.)となる。トリコは同ファンドのETH建てクラスに出資する。

同ファンドは、暗号資産価格の上昇・下落の方向性に依存しないマーケットニュートラル戦略を基本方針とする。暗号資産の現物と先物などを組み合わせた裁定取引を中心に、中央集権型取引所(CEX)、分散型デリバティブ取引所(Perp DEX)、CMEなどの伝統金融市場を横断して運用するという。

また、ETH現物で出資し、運用リターンもETH建てで受け取る仕組みだ。出資されたETHをファンド段階で米ドルなどに換金しない構造を採用している。トリコは、ETHへの投資を維持しながら保有ETHの数量増加を目指せる点や、先に出資を決議したファンドとの運用戦略の分散につながる点を評価したとしている。

トリコは外部運用先の選定にあたり、15社以上の暗号資産ヘッジファンドや運用会社を対象にデューデリジェンスを実施したという。ETH建てでの運用の可否や運用実績に加え、流動性、ガバナンス、外部監査体制、リスク管理体制などを比較・検証したとのこと。

同社によると、出資先のファンドは2021年10月に運用を開始し、ETH建てクラスは同年12月に設定された。テラ/ルナ(Terra/LUNA)の崩壊やFTXの破綻など、市場の混乱局面でも運用を継続してきた実績などを評価したという。

一方、トリコは、取引先の信用リスクや流動性リスクに加え、DeFiプロトコルなどの利用に伴うスマートコントラクトの脆弱性やシステム障害などによって損失が生じる可能性も説明している。ファンド側では、取引先の分散や保険プログラムの付保、リアルタイム監視などの対策を講じているという。

なおトリコは同日、8月13日に公表した別のETH建てヘッジファンドへの出資について、出資先を「Hyperithm Arbitrage Fund SP」から「Hyperithm Arbitrage Fund Limited」に変更することも発表した。ファンド側が米国の投資家を受け入れるために組織再編を行ったことに伴う変更だ。

この既存案件の出資金額や報酬、解約条件、運用戦略などに変更はない。契約締結は10月22日、投資実行は10月中を予定している。トリコは同案件と今回の出資を合わせ、複数ファンドへの分散投資による外部運用ポートフォリオの構築を進める方針だ。

参考:TORICO
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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