ビットゲットがBTC出金を再開、第三者セキュリティ製品の脆弱性悪用の可能性

BitgetがBTC出金を再開、ETHやUSDTも順次再開へ

暗号資産(仮想通貨)取引所ビットゲット(Bitget)が、9月24日に発生したセキュリティ事案を受けて停止していた暗号資産の出金について、ビットコイン(Bitcoin)ネットワークでのBTC出金を9月28日8:00(UTC)から再開したと同日に公式Xアカウントで発表した。

ビットゲットは出金インフラ全体で追加のセキュリティ対応を実施したうえで、出金を段階的に再開している。ビットコインネットワークに続き、BSCネットワークでのBTC出金も再開した。

今後は9月29日8:00(UTC)から、イーサリアム(Ethereum)、BSC、アービトラム(Arbitrum)、ベース(Base)、オプティミズム(Optimism)でETHの出金を再開する予定だ。30日8:00(UTC)からは、イーサリアム、BSC、ソラナ(Solana)、トロン(Tron)でUSDTの出金を再開する。その他のトークンや法定通貨の出金、P2Pサービスは10月2日8:00(UTC)から再開する予定となっている。

ビットゲットによると、今回の事案に関係する脆弱性はすでに修正され、事案も封じ込められている。封じ込め後に新たな不正送金は確認されておらず、ユーザーのアカウント残高にも影響はないとのことだ。

第三者セキュリティ製品の脆弱性を悪用した可能性

ビットゲットは今回、9月24日に発生した不正送金の攻撃経路に関する調査結果も公表した。同社によると、攻撃者はビットゲットが利用していた第三者のセキュリティ製品の脆弱性を悪用し、高い権限を持つ内部認証情報を取得したとのことだ。

攻撃者は取得した認証情報を使ってウォレットシステムに不正な出金命令を送り、既存のリスク管理を回避して資産を送金させたとみられている。一方、ビットゲットによると秘密鍵は侵害されておらず、秘密鍵そのものではなく、出金命令に関わる内部認証情報が悪用されたとのことだ。

今回の事案では9月24日18:31(UTC)から、ビットゲットのホットウォレットとウォームウォレットの一部で不正送金が発生した。同社は不正送金を検知後、出金を一時停止し、緊急対応や封じ込めを進めた。

ビットゲットは当初、影響を受けた資産を約3億5,160万ドル(約553億円)と推定していた。その後のオンチェーンでの資金追跡や取引の分類により、攻撃者が管理するアドレスへ移された資産を約3億8,750万ドル(約610億円)に更新した。これは新たな不正送金が発生したためではなく、当初の集計に含まれていなかったジーキャッシュ(Zcash)とトロンのネットワーク上の取引が追加されたためだ。

影響はホットウォレットとウォームウォレットの一部に限定され、コールドウォレットには影響がなかった。ホットウォレットはインターネットに接続され、日常的な入出金などに利用されるウォレットを指す。一方、コールドウォレットはインターネットから切り離した環境で暗号資産を保管する仕組みだ。

ビットゲットは、今回の事案による財務的な影響を同社の「プロテクションファンド(Protection Fund)」でカバーすると説明している。プロテクションファンドは、セキュリティ事案などが発生した際のユーザー資産保護を目的としてビットゲットが設けている準備資産で、当初発表時点で4億6,400万ドル(約730億円)を超える資産を保有していた。

現在はサイバーセキュリティ企業のマンディアント(Mandiant)とブロックチェーンセキュリティ企業のスローミスト(SlowMist)が調査と資金追跡を支援している。ビットゲットは今後、調査で確認された詳細をセキュリティレポートで公表する予定だ。

参考:ビットゲット1・ビットゲット2
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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