ストラテジー、5週連続ビットコイン追加購入なし。MSTR株売却継続でUSDリザーブ37.5億ドルに

STRC優先株の買い戻しも初実施

米ナスダック上場のビットコイントレジャリー企業ストラテジー(Strategy)が、7月20日から26日にクラスA普通株式「MSTR」を542万9,160株売却し、純手取額として5億4,450万ドル(約892億円)を得たことが分かった。同社が7月27日に米証券取引委員会(SEC)へ提出した報告書「フォーム8-K(Form 8-K)」で明らかにした。

一方、同社は同期間中、ビットコイン(BTC)を追加購入せず、7月26日時点の保有量も前週と同じ84万3,775BTCだった。これでBTCの追加購入を行わないのは5週連続となった。ストラテジーはこれまで、ATM(市場価格で株式を随時売却して資金を調達する仕組み)などで調達した資金をBTCの追加購入に活用してきた。今回は資金を調達しながらも、BTCの追加購入は実施していない。

ただし、この5週間のうち6月29日から7月5日には、計3,588BTCを総額2億1,600万ドル(約354億円)で売却している。売却代金は、優先株式の分配金支払いと、その支払いに充てたUSDリザーブの補充に使用された。

また同社は同期間、デジタル・クレジット証券買い戻しプログラムに基づき、変動金利型の永久優先株式「STRC」を28万8,930株、総額2,500万ドルで買い戻した。STRF、STRK、STRDの各優先株式およびMSTR普通株式の買い戻しは実施していない。公表資料上、今回の買い戻しは、6月29日に発表した同プログラムに基づく初の実施となる。

今回だけでなく、7月6日から12日の週にはMSTRを481万8,781株売却し、純手取額4億6,670万ドル(約764億円)、7月13日から19日の週には273万2,318株を売却し、純手取額2億6,350万ドル(約432億円)を調達していた。今回を含めた直近3週間の株式売却による調達額は約12億7,470万ドル(約2,087億円)となる。

ストラテジーは6月29日、新たな資本管理方針「デジタル・クレジット資本フレームワーク(Digital Credit Capital Framework)」を発表した。同方針では、優先株の配当や既存債務の利払いに備え、現在予想される年間支払額の少なくとも12カ月分に相当する米ドル建て資金を「USDリザーブ(米ドル準備金)」として維持することを資本管理の柱の一つに位置付けている。

また、必要に応じて保有BTCを売却して現金化し、USDリザーブの積み増しや優先株配当、優先株などの証券の買い戻しに充当できる「BTC換金プログラム(BTC Monetization Program)」も導入している。同プログラムでは、最大12億5,000万ドル(約2,047億円)をUSDリザーブの積み増しに充てられるほか、優先株配当や既存債務の利払い、USDリザーブの補充、優先株式やMSTRの買い戻しにBTC売却代金を使用できる。

同社によると、今回のMSTR売却代金から5億2,500万ドル(約860億円)をUSDリザーブへ積み増し、残高は前週の32億2,500万ドル(約5,281億円)から過去最高の37億5,000万ドル(約6,141億円)となった。 この金額には、ATMを通じて売却した株式のうち、同日時点で未決済だった受取予定額も含まれる。USDリザーブは、優先株の配当や既存債務の利払いを支えるための資金準備として維持されている。

なお現行のUSDリザーブ方針では、同リザーブをSTRCの買い戻しに使用することは認められていない。同社は今後のSTRC買い戻しについて、追加のMSTR売却代金や、状況に応じたBTC売却代金など、USDリザーブ以外の資金で実施する方針だ。

また、デジタル・クレジット証券買い戻しプログラムでは、優先株式を対象に総額10億ドルの買い戻し枠が設定されている。今回の買い戻し後の残額は9億7,500万ドルとなった。MSTR普通株式を対象とする自社株買いプログラムでは、10億ドルの買い戻し枠が全額残っている。

なお、7月26日時点で同社が現在保有する84万3,775BTCの取得総額は636億9,000万ドル(約10.43兆円)となった。これは現在保有するBTCの取得に要した金額であり、売却済みBTCを含む歴史的な累計購入額ではない。 同取得総額は手数料および諸経費を含む。平均取得価格は1BTCあたり7万5,476ドル(約1,236万円)となっている。

参考:フォーム8-Kストラテジー
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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