円ステーブルコインのアジア決済活用が政府へ提言
自民党ブロックチェーン推進議員連盟が、アジアにおける決済での円建てステーブルコインの利用促進と、暗号資産(仮想通貨)ETF(上場投資信託)の取引を可能にする法整備を政府に求めた。6月1日に政府へ提出された提言で示された。提言は金融庁(FSA)を所管する片山さつき財務相へ提出された。
提言では、暗号資産ETFについて「投資家に分かりやすい投資手段を提供するもの」と説明された。政府に対し、同商品を金融市場における正式な投資手段として位置付けるよう、同議連は求めた。
同議連に所属する神田潤一議員は、片山氏との面会後、記者団に対し、2027年5月2〜5日に愛知・名古屋で開催予定のアジア開発銀行(ADB)第60回年次総会の機会を捉え、円建てステーブルコインやブロックチェーン・イノベーションに関する取り組みをアピールできると述べた。
神田氏は「将来的にアジアにおける決済で円建てステーブルコインの利用を促進するため、政府に対応を求めた」と述べた。
暗号資産ETFは、投資家が裏付けとなるデジタル資産を直接保有・管理することなく、暗号資産へのエクスポージャーを得られる金融商品だ。
金融庁は、国内金融機関によるブロックチェーン技術の活用を通じ、イノベーションの創出や業務効率化を進める取り組みを推進してきた。
日本の3メガバンクは、金融庁の決済高度化プロジェクト(PIP)の支援案件として、ステーブルコインを複数の銀行グループが共同で発行する場合の実証実験を進めている。金融庁によると、同実証ではサービス設計に応じた規制対応や実務対応を適法かつ適切に遂行できるかなどを検証する。
また国内スタートアップのJPYC社は2025年10月27日、円に連動するステーブルコイン「JPYC」の正式発行を開始した。
ドル建てステーブルコインは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の強い後押しを背景に急拡大している。一方で政策当局者からは、ステーブルコインが規制された銀行システムの外での資金移動を容易にし、国際的な決済フローにおける商業銀行の役割を損なう可能性があるとの警戒感も示されている。
日本銀行(日銀)の氷見野良三副総裁は2026年5月16日、将来の国際的な通貨システムを設計するうえで、CBDC(中央銀行デジタル通貨)やステーブルコインといった個別要素だけではなく、包括的な設計が必要だと述べた。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Japan must promote yen stablecoins in Asia, ruling party panel says
(Reporting by Leika Kihara; Editing by Alexandra Hudson)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters