TikTokのBytedanceがシンガポールで銀行ライセンス取得を計画か

TikTokのBytedanceがシンガポールで銀行ライセンス取得を計画か

動画共有サービスTikTokなどを運営するBytedance(バイトダンス)がシンガポール三大銀行のうちの1つであるオーバーシー・チャイニーズ(OCBC)銀行のオーナーであるLee(リー)氏とシンガポールでのデジタルバンクライセンス取得に向けて協議を進めているとFinancial Timesが報じた。ちなみにシンガポールでのデジタルバンクライセンス取得をするには、資金の入札が必要とのことだ。

現在シンガポール通貨庁は2020年内に5つのデジタルバンクライセンスを発行する予定となっているとのこと。ByteDanceに加えAnt Financial(アントフィナンシャル )、Xiaomi(シャオミ)などもライセンス取得に向けて動いていて競合状態にあるようだ。

Bytedanceが取得を検討しているライセンスは、シンガポール通貨庁が提供する3つのホールセール向けのデジタルバンクライセンスのうちの1つ。つまり中小企業を含む法人顧客へのサービス提供のためのライセンス取得となる。

Bytedanceがデジタルバンクライセンスを取得する狙いは、TikTokが商品を販売するインフルエンサーのために、ビジネスプロセスを簡略化できる取引プラットフォームにすることではないかとFinancial Timesには記載されている。

編集部のコメント

ByteDanceのブロックチェーン関連の動きを振り返ると、ByteDanceは中国のメディア企業であるShanghai Dongfang Newspaper(上海東方新聞)とブロックチェーンやAIなどの発展を目的とした新しい会社「Pengpai Audiovisual Technology(ペンパイ・オウディビジュアル・テクノロジー)」を2019年12月10日に設立しています。しかし具体的な動向は現段階で明らかになっていません。

デジタルバンキングライセンス関連のニュースとしては、ByteDanceは2019年にテンセントやアリババなどのテクノロジー企業に銀行部門を開放した香港で、バーチャル・バンキングのライセンス申請を検討していました。

その背景には中国ではテンセントとアリババがデジタルバンクライセンスのほとんどを取得している事実が存在しています。だからこそByteDanceは香港やシンガポールといった国外で世界の金融ハブとなりうる場所でのライセンス取得を目指しているのだと考えられます。

BytedanceはSNSのTikTok、ニュースアプリToutiaoを運営していて、合計約10億人ほどのアクティブユーザーを抱えていることになります。ByteDanceはデジタルバンクライセンスを取得することで、金融領域をデジタル化し、アセットの流通速度を高めることができるようになります。非常に巨大なユーザ数を誇るサービスを運営する企業なので、新たなキャッシュポイント設計し、伝播させていくのではないでしょうか。次なるグローバルデジタルスタンダードを生み出すことが大きな狙いだと考えられます。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

(images:iStock/Tuadesk・Victorburnside)

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「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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