チェイナリシス、ブロックチェーン分析向けAIエージェント導入へ

AIエージェントでブロックチェーン分析を支援

ブロックチェーン分析企業チェイナリシス(Chainalysis)が、ブロックチェーン上の取引分析や不正調査を支援するAIエージェント機能「ブロックチェーン・インテリジェンス・エージェント(blockchain intelligence agents)」を導入する方針を3月31日に発表した。

同機能は、同社の分析プラットフォーム上で利用されるもので、自然言語による指示をもとに、取引の追跡や調査に必要な関連情報の抽出、調査レポートの作成などを支援するという。従来は専門的な知識が必要とされていたブロックチェーン分析について、組織内のより幅広い担当者が活用可能になるとのこと。

同社によると、これらのエージェントは、数十億件のトランザクションデータや1,000万件以上の調査実績など、同社がこれまで蓄積してきたデータや知見を基盤として構築されている。また同機能は単なるチャットボットではなく、既存プラットフォームの延長として位置付けられている。

エージェントは、同一の入力やルールに対して常に同じ結果を返す決定論的なワークフローと、探索的に分析を行うモードの双方に対応する。いずれの場合も、どのデータが使用され、どのような推論や処理が行われたかを記録する監査ログが生成されるという。これにより、法執行機関や金融機関におけるコンプライアンス対応や証拠管理への活用が想定されている。

また、エージェントの自律性の範囲や自動化のレベルについては、人間が設定・管理する設計となっている。同社は、規制対応や不正対策といった高リスク領域においては、人間の統制を前提とする必要があるとしている。

現在同機能は開発段階にあり、複数チェーンにまたがる調査の自動化や、アラートの補足情報付与、要約レポートの生成、オープンソース情報(OSINT)の収集などでの活用が確認されているという。同機能は今年夏頃より順次提供が開始される予定だ。

なお、暗号資産関連の不正行為においてAIの活用が進む中、調査側でもAIを活用する動きが広がっている。競合のTRMラボ(TRM Labs)も3月25日、調査支援向けAIアシスタント「コーケースエージェント(Co-Case Agent)」を発表している。

同ツールは、自然言語による指示をもとに資金フローの追跡やグラフ分析、調査プロセスの提案などを実行する機能を備えているとのこと。また、すべての操作は監査ログとして記録され、法的手続きや規制対応において検証可能な形で利用できる設計とされている。

TRMラボは、暗号資産関連犯罪の増加や、AIを活用した不正行為の拡大を背景に、調査の効率化と高度化が求められていると説明している。

このように、オンチェーンにおける分析分野ではAIエージェントを活用した調査支援の取り組みが各社で進みつつある。

参考:チェイナリシスTRMラボ
画像:PIXTA

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渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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