英スマーケッツ、米予測市場参入へ。CFTCに取引所ライセンス申請=報道

スポーツ市場が取引量の中心に

英国のベッティング取引所「スマーケッツ(Smarkets)」が、米商品先物取引委員会(CFTC)に対し、指定契約市場(DCM)および指定清算機関(DCO)のライセンス申請を行ったと3月9日に米メディア「フォーブス(Forbes)」が報じた。

今回の申請により、スマーケッツは米国で予測市場の取引所を運営するための規制枠組みに入ることになる。CFTCはDCM申請に対して通常180日以内に回答するとされているが、実際にはより長期化する場合もあるという。

スマーケッツは2008年に創業された企業で、英国を拠点にベッティング取引所を運営している。発表によると、同社の累計取引量は約500億ドル(約7.9兆円)で、年間取引量は約30億ドル(約4,776億円)に達しているという。また同社は、クオンツトレーディング企業サスケハナ・インターナショナル・グループ(Susquehanna International Group)の投資部門サスケハナ・グロース・エクイティ(Susquehanna Growth Equity)から出資を受けている。

報道によると、同社創業者のジェイソン・トロスト(Jason Trost)氏は、予測市場の競争はブランド競争ではなく「市場構造」の問題だとの見方を示している。同氏は、ポリマーケット(Polymarket)上でサービスを提供するベット企業ベトル(Betr)や、カルシ(Kalshi)と提携するロビンフッド(Robinhood)などの例を挙げ、こうしたモデルは「ブローカーモデル」に近いと説明した。

同氏は、長期的にはスポーツベッティング市場においても、従来のブックメーカー型ではなく、ユーザー同士が価格を提示して取引する「取引所型」の仕組みが主流になる可能性があるとの見方を示している。また最終的には、この取引所インフラを担うプレイヤーは数社程度に集約される可能性があるとも述べた。

スマーケッツはこの取引所モデルを基盤としており、自社のマッチングエンジン上でスポーツベッティングを提供するインターフェース「SBK」も展開しているという。トロスト氏は、従来のスポーツブックでは約10%程度のマージンが価格に含まれる一方、取引所モデルでは市場参加者自身が価格を決定する点を特徴として挙げている。 ・トロスト氏は、予測市場の取引量の大部分は長期的にスポーツ市場に集中するとの見方も示している。同氏は「長期的には取引量の90%以上がスポーツになる」と述べている。

実際にカルシの公開データでも、米国の規制下で行われている取引量の約90%がスポーツ関連市場に集中しているとされる。また2026年のスーパーボウルを対象とした予測市場の取引量は約31億ドル(約4,935億円)に達し、前年から39%増加したという。

CFTCの審査期間を踏まえ、スマーケッツは2026年末までに米国市場でのサービス開始を目指しているとのことだ。 なお、予測市場を巡る規制議論は各国で続いている。2月には、オランダの賭博規制当局カンスペルオートリテイト(Kansspelautoriteit)が、予測市場プラットフォーム「ポリマーケット(Polymarket)」に対し、同国でのサービス提供を停止するよう命じた。

また米国でも、予測市場を巡る規制の位置付けについて議論が続いている。米国では、イベント結果に基づく契約は米商品先物取引委員会(CFTC)が監督するデリバティブ取引として整理され得る一方、ネバダ州やマサチューセッツ州など複数の州当局は、州法上の賭博やスポーツベッティングに該当する可能性があるとして事業者に是正を求めている。

参考:フォーブス
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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