ステーブルコイン給与支払いソリューションを企業向けに提供
ゼロ知識技術を用いたレイヤー1ブロックチェーンを開発する「アレオ(Aleo)」、ステーブルコイン給与支払いプラットフォームを提供する「トク(Toku)」、ステーブルコイン基盤を手がける「パクソス・ラボ(Paxos Labs)」が、秘匿型ステーブルコインによる給与支払いソリューションを立ち上げたと1月29日に発表した。
これにより企業は、従業員や契約社員への給与支払いをステーブルコインで行いながら、支払い金額や受取人といった情報をパブリックブロックチェーン上で公開せずに処理できるという。
発表によると、従来のパブリックブロックチェーンでは取引履歴が誰でも閲覧できるため、個人の給与額や賞与、企業の資金残高などが可視化される点が給与用途でのステーブルコイン活用を妨げてきたという。
今回のソリューションでは、アレオ・ネットワークに実装されるゼロ知識証明(ZKP)技術を用いることで、取引が正しく行われたことを検証しつつ、具体的な金額や残高といった情報を非公開に保つとしている。
トクは、税務処理や労働法対応、為替処理を含むグローバル給与業務を担うレイヤーを提供する。同プラットフォームはワークデイ(Workday)やADP、SAPといった既存の人事・給与システムと連携でき、企業は従来の業務フローを大きく変更することなく、ステーブルコイン給与を導入できるとしている。
給与支払いに用いるステーブルコインの例として、パクソス・ラボがアレオエコシステム上で発行する「USAD」が挙げられている。USADは、昨年10月にアレオネットワーク財団とパクソスラボが共同で立ち上げた、取引におけるプライバシー不足の解消を目的とした米ドル建てステーブルコインだ。アレオのゼロ知識技術とパクソスラボの発行基盤を組み合わせ、企業利用を前提に設計されている。
ステーブルコインの利用は世界的に拡大しており、2025年には年間処理額が約33兆ドル(約5,131兆円)に達した。一方で、暗号資産(仮想通貨)を給与支払いに利用している企業は1%未満にとどまるとされ、その主因がプライバシーの欠如だと同社らは説明する。
同社らによると、ステーブルコインで給与を支払えるようになることで、企業側は国際送金に伴うコストや着金までの時間を抑えられる可能性がある。また受け取り側にとっても、銀行インフラが整っていない地域からでも、ドル建て価値へ直接アクセスできる点が想定されるとしている。
この秘匿型ステーブルコイン給与支払いは、2026年第1四半期にトクの一部エンタープライズ顧客向けに段階的に提供を開始し、2026年半ばに全面提供を見込むとしている。
参考:プレスリリース
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