中南米デジタル金融サービス大手が米国事業拡大
中南米を中心にデジタル金融サービスを展開する「ヌー(Nu)」が、米国で国法銀行を設立するための条件付き承認を取得したと1月29日に発表した。米通貨監督庁(OCC)が新規国立銀行「ヌーバンク(Nubank, N.A.)」設立に関する条件付き承認を付与したという。
ヌーは2013年に設立され、現在はブラジル、メキシコ、コロンビアを中心に1億2,700万人以上の顧客を抱える世界最大級のデジタル金融プラットフォームへと成長している。米国市場における国立銀行設立は、同社が進める長期的な事業拡大戦略の一環とされている。
今回のOCCの承認によりヌーは、米国における銀行組織フェーズに移行する。最終承認が得られた場合、同社は包括的な米国連邦規制の枠組みの下で、預金口座、クレジットカード、融資、デジタル資産のカストディ(保管)といった銀行サービスを提供できるようになる見通しだ。
米国事業は、ヌーの共同創業者であるクリスティーナ・ジュンケイラ(Cristina Junqueira)氏が統括する。同氏は銀行設立と長期的な成長を主導するため、米国へ拠点を移している。また、ブラジル中央銀行の元総裁であるロベルト・カンポス・ネト(Roberto Campos Neto)氏が取締役会会長を務める。
ヌーは今後、OCCが定める条件を満たすとともに、米連邦預金保険公社(FDIC)および米連邦準備制度(FRB)からの追加承認を取得する必要がある。この期間中、同社は12か月以内の資本充実と、18か月以内の銀行開業を目標として準備を進めるとしている。なお、ヌーは2025年9月30日にOCCへ申請を提出していた。
今回の進展は、ヌーが複数の国・地域で規制対応を積み重ねてきた経緯の延長線上にある。メキシコでは子会社ヌー・メキシコが2025年4月に銀行設立認可を取得しており、現在は最終的な営業承認を待つ段階にある。ブラジルでは2016年から規制下の金融機関として運営しており、2026年にはフル銀行ライセンスの取得を目指す方針を示している。
参考:ヌー
画像:Reuters