米上院銀行委員会、暗号資産市場構造法案を1月中旬にも採決へ

超党派合意は不透明か

米上院銀行委員会で審議が進められている暗号資産市場構造を包括的に規制する法案について、1月にも委員会採決が行われる見通しとなった。一方で、民主・共和両党いずれの側からも十分な賛成票を確保できていない可能性があり、法案の行方は依然として不透明だ。

暗号資産メディア「ザ・ブロック(The Block)」の1月6日の報道によると、米上院銀行委員会で審議が続く暗号資産の市場構造法案について、同委員会のティム・スコット(Tim Scott)委員長は、1月15日までに修正・委員会採決(マークアップ)を実施する方針を示している。

関係者によると、スコット委員長は超党派の支持の有無にかかわらず、近く委員会としての意思を示す必要があるとの考えを示しているという。米メディア「ブライトバート・ニュース(Breitbart News)」とのインタビューでは、「記録に残る形で投票することが重要だ」と述べ、過去6カ月以上にわたり複数の草案を委員会メンバーに提示してきたことを明らかにした。一方で、1月6日時点でも票読みは流動的とされる。

法案は、暗号資産市場全体を対象とする包括的な市場構造規制を目的とするものだ。草案では、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の監督権限の明確化に加え、「付随的資産(ancillary assets)」という新たな概念を導入し、どの暗号資産が証券に該当しないのかを整理することが盛り込まれている。

当初は2025年末までのマークアップ実施が期待されていたが、年内の採決には至らず、審議は年を越して継続している状況だ。

法案を巡っては、分散型金融(DeFi)の取り扱いや、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領と暗号資産関連事業との利益相反の可能性が主な争点となっている。米メディア「ブルームバーグ(Bloomberg)」は2025年7月、トランプ氏が一族の暗号資産関連事業から約6億2,000万ドル(現在のレートで約970億円)の収益を得ている可能性を報じた。また民主党側は、トランプ氏やメラニア夫人に関連するミームコインなどを含め、利益相反への懸念を繰り返し指摘している。

一方、共和党内でも一部議員の賛否は定まっておらず、関係者は「大きな不確定要素が残っている」とみている。

暗号資産業界のロビー団体「The Digital Chamber」のCEO、コーディ・カーボーン(Cody Carbone)氏は、「DeFiや利益相反、CFTC委員の承認プロセスなど、なお調整が必要な論点は残っている」としたうえで、「法案の大部分については両党が合意している」との見方を示した。

また、CFTCを所管する上院農業委員会でも、同時期に関連法案のマークアップが行われる可能性があり、最終的には両委員会の法案を一本化する作業が必要となる。

さらに、1月30日以降に再び政府閉鎖となるリスクも、今後の審議日程に影響を与える要因になる可能性もある。カーボーン氏は「政府閉鎖前にマークアップを終えることが極めて重要だ」と強調している。

なお米国では、「2026会計年度の継続的歳出および延長法案(Continuing Appropriations Act, 2026)」をめぐる与野党対立により、2025年10月1日から11月12日まで連邦政府が閉鎖されていた。

11月12日深夜に成立・署名されたつなぎ予算は1月30日まで有効とされているが、それまでに新たな予算案で合意できなければ、政府は再び閉鎖される可能性がある。この場合、暗号資産市場構造法案を含む議会審議が中断される恐れがある。

参考:報道
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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