ブロックストリーム、ビットコイン向けスマコン言語「Simplicity」ローンチ

ビットコイン向けスマコン言語「Simplicity」がローンチ

ブロックストリーム(Blockstream)が、ビットコインレイヤー2ネットワーク「リキッド(Liquid)」上で動作するスマートコントラクト用プログラミング言語「シンプリシティ(Simplicity)」のローンチを7月31日に発表した。

ブロックストリームは、初期ビットコイン(Bitcoin)コントリビューターのアダム・バック(Adam Back)氏が共同創設した、ビットコイン(BTC)基盤技術を開発する企業。

今回ローンチした言語のシンプリシティは、スマートコントラクト実行環境としてのビットコインの限界を解決することを目的に開発されたという。

バック氏は発表で「シンプリシティはビットコインに表現力豊かなスマートコントラクト機能を提供するが、VM(仮想マシン)ベースのチェーンに関連するセキュリティ問題はない」と述べている。同言語は形式的に仕様化され、安全で効率的になるよう一から構築されたという。

ビットコイン固有のプログラマビリティ向上の動きは近年勢いを増しており、特に2023年にBitVM(ビットVM)が導入されて以降顕著になっている。BitVMは、基盤プロトコルを変更することなくビットコイン上で複雑な計算を検証する方法を探求するフレームワークだ。

シンプリシティの起源はBitVMよりも古く、2012年にブロックストリームの研究者ラッセル・オコナー(Russell O’Connor)博士によって概念化されたという。同言語は、イーサリアム(Ethereum)などのネットワークで脆弱性や悪用につながる可能性がある無制限ループなどの機能を避けたスマートコントラクトを可能にするよう設計されている。

代わりに、シンプリシティはビットコインのUTXO(未使用トランザクション出力)モデルを使用する。これにより、トークンはデジタル現金のように機能し、ユーザーのアカウント残高を更新する方式ではなく、ネットワーク上のコインを使用する方式となる。

シンプリシティは現在、TVL(総預かり価値)が30億ドルを超えるビットコインレイヤー2の「リキッド」ネットワーク上で稼働している。これによりデベロッパーは、プログラマブルヴォールト(Vault)、分散型取引所(DEX)、カストディサービス、ガバナンスプロトコルなど、スマートコントラクト対応ブロックチェーンで一般的なアプリケーションを構築でき、ビットコインを決済レイヤーとして使用できるとのことだ。

参考:ブロックストリームブログ
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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