北國銀行がトチカ決済対応の「SoftPOSソリューション」開発開始
石川県金沢市に本店を置く北國銀行が、ビザ(Visa)等の各国際決済ネットワークのタッチ決済および預金型ステーブルコインによる決済を可能にする「SoftPOS」ソリューションの開発開始を7月1日に発表した。サービス提供開始は2025年度中を予定しているとのこと。
「SoftPOS」は、スマートフォン等の非接触対応のモバイル端末を、安全な決済端末として利用するソリューション。開発はマレーシアのフィンテック企業、ソフトスペース(Soft Space)と共同で行うという。なお預金型ステーブルコインによる決済を可能にする「SoftPOS」ソリューションの開発は世界初になるとのこと。
今回の取り組みにより、多くの事業者が簡易に利便性のあるキャッシュレス決済が導入できるようになるという。
特徴としては、専用の決済端末の導入が不要で、Android のスマートフォンまたはタブレット端末でキャッシュレス決済の受付が可能とのこと。また主要QR決済や北國銀行発行の預金型ステーブルコイン「トチカ」による決済に対応するという。
その他に「SoftPOS」ソリューションは、最新の国際モバイル決済セキュリティ基準「PCI MPoC」に準拠するとのことだ。
「トチカ」は、ブロックチェーンを利用した預金資産を裏付けとするステーブルコイン。2024年4月よりサービス提供開始されている。
北國銀行は2023年10月よりDigital Platformer(デジタルプラットフォーマー)社と共同で、ブロックチェーンを活用したデジタル地域通貨サービス「トチツーカ」の提供を行っている。
「トチツーカ」は、2023年10月より石川県珠洲市で提供されている、自治体発行のデジタル地域通貨「トチポ」を利用するアプリだが、今回「トチポ」に加え「トチカ」の利用が可能になったとのこと。
この「トチカ」と「トチポ」の具体的な違いとして、「トチカ」は前述したように預金型ステーブルコインであるが、「トチポ」はあくまでもポイントの扱いとなっている。
また発行主体は「トチカ」が北國銀行で「トチポ」は自治体。利用店舗は「トチカ」がトチツーカ加盟店であるのに対し「トチポ」では該当する自治体内の加盟店となる。そして大きく異なるのは「トチカ」は換金が可能であることだ。利用者については共にマイナンバーカードの所有が必要だが、「トチカ」に至っては北國銀行に普通預金口座を有する必要がある。
「トチカ」の利用は、「トチツーカ」アプリ上でチャージ用銀行預金口座の登録等を行うことでトチカ口座が開設され、登録した銀行預金口座から同口座へチャージを行うことで、1トチカ=1円としてトチツーカ加盟店での支払いに利用できるとのことだ。
さらに「トチカ」は、加盟店側の決済手数料は0.5%に設定されている。
なお「あたらしい経済」編集部が北國銀行の担当者に確認したところ、「トチツーカ」に採用されているブロックチェーンは、イーサリアムベースを採用したプライベートチェーンとのこと。同チェーンはデジタルプラットフォーマーと北國銀行で独自開発したパーミッション型のものとのことだ。
参考:北國銀行
画像:PIXTA
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