米デジタル資産取引所「EDX Markets」、BitGoと提携

EDX MarketsがBitGoと提携

機関投資家向けのデジタル資産取引所EDXマーケッツ(EDX Markets:EDXM)が、デジタル資産カストディサービス提供のビットゴー(BitGo Trust Company)との戦略的提携を4月9日発表した。

この提携により、EDXMにビットゴーの決済システム「ゴーネットワーク(Go Network)」が統合されるとのこと。同システムでは、資産をビットゴーに保管しながら、提携する取引所で取引が行える「オフエクスチェンジ決済」や、取引をオフチェーンで行うことで迅速な決済と手数料の削減を実現する「オフチェーン決済」、資産の引き渡しと支払いが同時に行われる「DVP決済」が提供されている。

また今回の提携では、ビットゴーが提供する機関投資家向けのプライムブローカレッジサービス「ビットゴープライム(BitGo Prime)」がEDXMのメンバーに加わるとのこと。EDXMの資産流動性がビットゴーの顧客向け流動性プールに追加されることにより、EDXMの顧客はビットゴーのカストディから直接取引・決済できるため、価格を犠牲にすることなく取引所へのリスクが最小限に抑えられるとのことだ。

なおプライムブローカレッジは、ヘッジファンドや大口機関投資家に対して、取引や貸借、決済などを中心に、幅広く金融サービスを提供することを指す。

2023年6月に運営開始したEDXMは、顧客のデジタル資産を直接取り扱わない「ノンカストディアル(非保管)」モデルの取引所となっている。第三者の銀行や暗号資産カストディ機関を利用して顧客資産を保管する。

またEDXMは、顧客がフィデリティ(Fidelity)などの証券会社を通じて注文を出す、株式市場と同様の形式をとる取引所となっている。

なお「EDXM」は、チャールズ・シュワブ(Charles Schwab)、シタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)、フィデリティ・デジタルアセット(Fidelity Digital Assets)といった大手金融機関や、パラダイム(Paradigm)、セコイアキャピタル(Sequoia Capital)、ヴァーツフィナンシャル(Virtu Financial)などの暗号資産関連のベンチャーキャピタルらによって支援され、独立した事業体として運営がされている。 

参考:EDX Markets
画像:iStocks/TaiChesco・Lidiia-Moor

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

米DTCC子会社DTC、SECからノーアクションレター取得。規制下のトークン化サービス検証へ

米国の金融市場インフラを担うデポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(Depository Trust & Clearing Corporation:DTCC)が、子会社であるデポジトリー・トラスト・カンパニー(Depository Trust Company:DTC)について、米証券取引委員会(SEC)の取引市場部門スタッフからノーアクションレターを取得したと12月11日に発表した

スーパーステートがトークン化株式の直接発行プログラム公開、ソラナとイーサリアムに対応

金融テクノロジー企業のスーパーステート(Superstate)は、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)のブロックチェーン上でトークン化された株式を、米SEC(証券取引委員会)登録の公開企業(上場企業を含む)が直接発行できる新プログラム「ダイレクト・イシュアンス・プログラム(Direct Issuance Programs)」を12月10日に発表した