イーサリアム「Pectra」アップグレード、テストネット「Holesky」で実装

「Pectra」アップグレードがテストネット「Holesky」で実装

イーサリアム(Ethereum)の大型アップグレード「ペクトラ(Pectra)」が2月24日21:55(UTC)にテストネット「ホルスキー(Holesky)」で実装された。

なお「ホルスキー」での「ペクトラ」の実装は予定通り行われたが、時間内にファイナリティが完了しなかったと報道されている。イーサリアムの開発者は、現在この原因を調査しているとのこと。

「ペクトラ」はハードフォークを伴うアップグレードで、「ホルスキー」での実装はエポック115968で行われたという。なおエポックとは、イーサリアムで用いられる時間単位のこと。12秒ごとに区切られた時間単位のことをスロットといい、32個のスロットを1つの区切りとする単位をエポックと呼ぶ。各スロットごとにブロックを提案する単一のバリデータが選ばれ、ブロックを1つ生成する。

「ホルスキー」での実装後、テストネット「セポリア(Sepolia)」での実装も3月5日7:29(UTC)に予定されており、「セポリア」での実装はエポック222464でフォークされるとのこと。

「ペクトラ」のメインネットの実装日については、「セポリア」実装が順調に進むことを前提に、3月6日に行われる「Ethereum All Core Developers(ACD)コール」にてスロットを決定するとのこと。開発者らは、メインネット実装は4月初旬に行われると予想しているとのことだ。

なお「ペクトラ」の主なアップグレードとして「EIP-7702」と「EIP-7251」の2つの実装がある。

「EIP-7702」は、イーサリアムの共同創業者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が提案したウォレットのユーザー体験を向上させるアップグレードだ。これにより通常のアカウントとして利用されているEOA(外部所有アカウント)を、一時的にスマートコントラクトとして扱える仕組みを導入し、既存のスマートコントラクトに追加の実装を行わずにEOAに様々な機能を導入可能になる。

「EIP-7251」は、バリデーターがステークできる最大量を32ETHから2,048ETHに増加させるというものだ。これにより32ETHよりも大きな額をステーキングしたいユーザーが、これまでのように複数のノードに分割せず、1つのノードで行えるようになる。そのため、新しいノードの構成をする必要があり、数週間の待ち時間が必要とされることもあったステーキングの開始がよりスムーズに行えるようになると予想されている。

ちなみに「ペクトラ」は、実行層(EL)の「プラハ(Prague)」アップグレードおよびコンセンサス層(CL)の「エレクトラ(Electra)」アップグレードを合わせた名称である。

参考:イーサリアム財団
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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