ソラナ上のステーブルコインプロジェクト「UXD Protocol」、運営終了へ

「UXD Protocol」がプロトコル廃止へ

ソラナ(Solana)ブロックチェーン上のステーブルコインプロジェクト「UXDプロトコル(UXD Protocol)」が、プロトコル廃止の決定を8月20日発表した。

「UXDプロトコル」は、永久先物DEX(分散型取引所)を使用したデルタニュートラル・ポジションによって価値が100%担保されたアルゴリズム型のステーブルコイン「UXD」を開発・運用するプロジェクトとして、2022年にメインネットローンチ。その後デリバティブDEXの流動性が不十分であったため、資産負債管理モジュール(Asset Liability Management Module)を採用した、ステーブルコインプロジェクトへとピボットしていた。

しかしこのステーブルコインは、市場のニーズには適合できなかったため、今回のプロトコル廃止への決定に至ったという。DeFi(分散型金融)ユーザーには、中央集権型のステーブルコインと比較して十分な優位性を提供できなかったとのこと。さらに「流動性マイニングは価格を下落させ、持続的にプロトコルに貢献しないため、ステーブルコインが支持されるのは難しい」とも述べられている。

今後はDAO(自律分散型組織)へ提案された計画が可決された時点で、プロトコル廃止が進められるとのこと。

ガバナンストークン「UXP」は、プロトコルが保有する資産の共有権に対応するUCT(UXD Claim Token)に交換したうえで保険基金をトークン保有者に返還し、未使用および買い戻し等を行った「UXP」はDAOでの賛成票を得たあとに焼却される予定だという。

また「UXD」については償還期間内であれば、いつでも米ドルステーブルコイン「USDC」へと交換が可能であるとのことだ。

発表によると、保険基金に流動性の低い資産があることを考えると、完全なプロトコルへの停止には1~2年かかると伝えられている。

また償還作業の継続にあたり、同プロジェクトではスマートコントラクトのエンジニアを2名、それぞれ10万ドル(年俸制、実際の期間は状況次第)の給与で雇用するとのこと。これについてもDAOへ提案されるとのことだ。

関連ニュース

参考:Realms
images:iStocks/berya113

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

米DTCC子会社DTC、SECからノーアクションレター取得。規制下のトークン化サービス検証へ

米国の金融市場インフラを担うデポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(Depository Trust & Clearing Corporation:DTCC)が、子会社であるデポジトリー・トラスト・カンパニー(Depository Trust Company:DTC)について、米証券取引委員会(SEC)の取引市場部門スタッフからノーアクションレターを取得したと12月11日に発表した

スーパーステートがトークン化株式の直接発行プログラム公開、ソラナとイーサリアムに対応

金融テクノロジー企業のスーパーステート(Superstate)は、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)のブロックチェーン上でトークン化された株式を、米SEC(証券取引委員会)登録の公開企業(上場企業を含む)が直接発行できる新プログラム「ダイレクト・イシュアンス・プログラム(Direct Issuance Programs)」を12月10日に発表した