バイナンス前CEOに4カ月の実刑判決=報道

違法行為を知らされていた証拠はない

世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の創業者であり前CEOのチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏に4カ月の実刑が下った。各社が4月30日報じた。

CZ氏は今後米国の刑務所で刑期を過ごすことになるが、これは司法省(DOJ)が求めていた3年の懲役に比べると軽い刑となった。なおCZ氏の弁護士は5ヶ月の執行猶予を求めている。

米コインデスクの報道によれば、シアトルの法廷で判事は、DOJがCZ氏に対し複数年の懲役を求めていることに疑念を呈したという。判事はCZ氏がバイナンスの違法行為について知らされていたという証拠はないとし、DOJが推奨する量刑ガイドラインである懲役10~16ヵ月、監視付き釈放3年以下の引き上げには同意できないと述べたという。

裁判所はCZ氏が責任を受け入れたと判断したとのことだ。

CZ氏は法廷にて、「責任を取るための第一歩は、過ちを完全に認識することだと思う」とし、自身が、完全な顧客把握プログラムの設定を行ったと認めた。またマネーロンダリング防止プログラムの重要性を認識し、バイナンスに対し、米当局の捜査に協力するよう指示したと述べている。

CZ氏は、昨年11月にバイナンスのCEOを辞任。同氏と取引所は銀行秘密法に基づくマネーロンダリング防止要件を回避したとして、銀行秘密法違反の1件の罪を認めている。

それによりバイナンスは、43.2億ドル(約6,714億円)の刑事罰に同意した。

検察側は、CZ氏がそれ相応の刑期を過ごすべきと考えており、銀行秘密法(Bank Secrecy Act:BSA)のガイドラインが甘いと指摘した。検察は「世界最大の暗号資産取引所を建設し、その過程で金持ちになるために、意図的かつ故意に米国の法律に違反することを計画したのに、CZ氏が投獄されないのであれば…誰も投獄に直面することはなく、BSAは事実上、意味をなさない文字になるだろう」と述べたという。

また検察は、具体的な証拠がなくとも、CZ氏が自身のプラットフォームで違法行為が行われていることを理解していたことを、判事は推測できるはずだと主張している。

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参考:米CoinDesk
images:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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